電子情報技術産業協会(JEITA)は12月16日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に寄与し、今後の電子情報産業の成長をけん引すると期待されている「ITリモート」の世界需要額見通しを発表した。同調査は、ITリモートを「ネットワークを通じて離れた場所にいる人と人または物をつなげてコミュニケーションを実現するための技術」と定義し、国内外の関連企業・団体へのヒアリングをもとに定量的に推計したもの。

同調査によると、ITリモート市場の世界需要額は、年平均14.8%で成長し、2030年には228.3兆円と、2020年と比べて約4倍に拡大する見通しだという。感染防止の必要性から、「密」と「接」を軽減するため、テレワークやWEB会議、遠隔医療、オンライン教育、遠隔操作、映像配信など、民生用途・産業用途を問わず、オフィス、病院、学校、スタジアムなど、さまざまな場面で、ITリモートの活用が広がっていることが背景にあるとのこと。 今後も新たなサービスが生まれ普及していくことが予想されることから、市場は右肩上がりに成長していく見通しだといい、日本国内も世界全体と同様の傾向で、2030年には12.8兆円と、2020年に比べて需要額は約4倍に成長すると、同社はみている。

さらに、ITリモートによる貢献や効果が特に期待されている8つの利活用分野を抽出し、それぞれの分野で具体的なユースケースを特定して、そこで必要となる機器やサービスの利活用分野別需要額を推計した結果、2030年において、世界で需要額の大きな利活用分野は、「インダストリ」、「流通・物流」、「テレワーク」、「エンタメ・スポーツ」の順に、日本で需要額の大きな利活用分野は、「インダストリ」、「テレワーク」、「流通・物流」、「エンタメ・スポーツ」の順となったという。

スマートファクトリーを実現するロボットをはじめ、工場や倉庫の自動化を支えるソリューションが市場をけん引する見込み。また今後、特に成長率が高いと予想される利活用分野は、「エンタメ・スポーツ」、「医療介護」、そして「教育」と同社は説明する。これらの分野は、規制改革や人材育成が進むことを前提に、今後大きな成長を見込んでいるとのことだ。