パナソニックは11月25日、オーブントースターのフラッグシップモデル「ビストロ NT-D700」を発表しました。新製品の特徴は、冷凍した分厚い食パンでも中まで均一に加熱。外はサクッと、中はもちもちとしたトーストならではのおいしさを引き出します。発売は2021年2月1日、価格はオープン、推定市場価格は25,000円前後(税別)です。メディア向けの体験会からレポートします。
遠赤外線と近赤外線、2種類のヒーターを搭載
NT-D700は、一般的な遠赤外線ヒーターに加えて、近赤外線ヒーターを搭載しています。庫内の上下に1本ずつの遠赤外線ヒーターと、庫内上部に1本の近赤外線ヒーター、合計3本の「遠近トリプルヒーター」という構成です。遠赤外線ヒーターは食材の表面をパリッと加熱し、近赤外線ヒーターは食材の中を温めるのが役割。3本のヒーターによって、パンの内部まで中までしっかり加熱できるのです。
この遠近トリプルヒーターが力を発揮するのは、なんといっても「冷凍した分厚い食パン」のトースト。
人によって好みはあると思いますが、おいしいトーストの基本は、表面はサクッと、中はもちもちですよね。トースト内部の水分が多いほど「もちもち感」は得られやすいため、基本的にトーストは高火力・短時間で焼くとよいとされてれています。
ただし、高火力・短時間だと失敗しやすいのが「冷凍した分厚い食パン」のトーストです。高火力ですばやく焼くと中心部が十分に温まらず、逆に中心部までしっかり火を通すと表面が焦げてしまいがち。NT-D700は、表面をサクッと仕上げる遠赤外線ヒーターと、中心をしっかり温める近赤外線ヒーター、さらに独自の加熱プログラムを組み合わせることで、冷凍した分厚い食パンもおいしくトーストできます。
両方のトーストを食べ比べたところ、まず感じるのが一般的なトースターだと食パン中心が温まりきっていないこと。表面は熱々なのですが、中心部はぬるいという印象です。一方、NT-D700は表面の焼き色は薄めに感じますが、中までしっかり熱々でした。
食感も特徴的です。普通のトースターで焼いたトーストも、もちろん表面はサクッとしているのですが、NT-D700よりちょっと柔らかい印象。表面の硬い部分がNT-D700で焼いたトーストより分厚く感じます。NT-D700はサクッとした部分が薄く、サクッとした層と、もちもち層の違いが際立つように感じました。
7,200通りの加熱方法を賢く使い分ける自動メニュー
遠赤外線・近赤外線という2種類のヒーターとともに、作り込んだ自動モードも注目です。運転モードは、冷凍あつぎりトーストのほか、アレンジトースト、パックもち、焼きいも、といったメニューがあります。焼き色などの調整を含めると、7,200通りの加熱パターンを使い分けているとのこと。
パナソニックのトースターは、従来のフラッグシップモデル(NB-DT52)も豊富な自動メニューを搭載していましたが、新モデルのNT-D700では「アレンジトースト」「フランスパン」「じっくり焼いも」メニューが増えました。
アレンジトーストは具を乗せた食パンメニューで、たくさんの具を乗せても表面を焦がしすぎず、パンの中までしっかり加熱。フランスパンメニューは、高さのあるフランスパンを焦がさず表面をパリッと仕上げます。従来モデルにも「焼きいも」メニューはありましたが、NT-D700の「じっくり焼いも」は、より低温でじっくりと加熱。サツマイモの甘みを引き出し、最後に高温で加熱して香ばしさを加えます。
実機を体験して驚いたのは、やはり分厚い冷凍食パンを調理したときのおいしさ。一般的なトースターで焼いたものとは、その差は歴然でした。
従来、関西エリアでは分厚いトーストが好まれ、関東は薄切りのトーストが好まれやすいともいわれていました。ですが、この数年は「生食パン」をはじめとする高級食パンがブームになり、全国的にも分厚いトーストが広まっています。NT-D700の「冷凍あつぎりトースト」メニューを歓迎する家庭も多いのではないでしょうか。
また、トースター調理は焦げやすいため、そばいて焼き上がりをチェックしながら調理することが多いのですが、NT-D700はメニューにあわせてヒーターを交互にオンオフするなどで、具材を焦がさずにしっかり加熱します。「トースターの前で焦げないかずっとチェック」する必要がないのもうれしいポイントです。