シャープは11月6日、ウォーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ」の新モデル「AX-GR1」を発表しました。あえてパンに焼き目をつけない「ふわふわモード(弱モード)」が特徴です。発売は11月28日で価格はオープン、推定市場価格は29,800円(税別)になります。

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    新モデルのヘルシオ グリエ「AX-GR1」。従来は丸みのあるレトロデザインでしたが、AX-GR1は全体的にシャープな雰囲気に。サイズは幅412×奥行306×高さ227mm(ハンドル含まず)、重さは約5.7kg

生食パンのふわふわ感を再現する唯一のトースター

近年は高級食パンがブーム。なかでも人気なのは、もちもちふわふわ感の生食パンです。生食パンは基本的に、トースターで焼かずにもちもちふわふわの食感を楽しむパン。

ですが、生食パンが美味しいのは焼きたてからせいぜい次の日まで。時間とともに水分が失われ、もちもち感・ふわふわ感がなくなってパサパサとした食感になってしまいます。そのため、家庭ではトースターで再加熱することが多いのですが、残念ながらトースターで加熱した食パンは、外側がカリッとした食感になって「生」食パンならではのおいしさは損なわれます。そこで新モデルのAX-GR1は、この生食パンを表面までモチモチのまま楽しむための「ふわふわ(弱)」モードを搭載しました。

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    生食パンの有名店、ラ・パンの「高級クリーミー生食パン」を冷凍したものを、AX-GR1の「ふわふわモード」で6分加熱

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    6分加熱した生食パンですが、まったく焼き目が付いていません。手でさわるとモチっとた弾力があり、焼きたてのパンを切って提供されたような食感

上述のように、時間とともにパンのふわふわもちもち感がなくなるのは、パンの水分が失われるから。今回、パンを焼く前と焼いた後で、重さの違いも比較してみました。結果は、焼く前のパンはラップ込みで79.4g、ふわふわモードで6分加熱したパンはラップなしで81.5gと、重くなった……つまり水分が増えているのです。

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    ふわふわモードで焼いたパンの重さを比較。焼く前より焼いた後のほうが重くなっています。これはパンの水分が増えたから

「焼く前よりも焼いた後でパンの水分が増える」のは、ヘルシオ グリエが過熱水蒸気を利用してパンを焼いているからです。過熱水蒸気は、水を沸騰させて発生した水蒸気をさらに温めて、蒸気を100℃以上の超高温にして食材を加熱する方法。

AX-GR1のもちもちモードでは、たっぷりの水を使って120℃前後という(過熱水蒸気としては)低めの温度でパンを焼くことで、焼き目のないふわふわ弾力ある食感のパンに焼き上げるわけです。生食パン以外にも、サンドイッチ用パンや白パンなど、焼き目をつけたくないパンの加熱にもぴったりですね。

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    容量40mlの水タンク。ふわふわモードでは、約25mlという多めの水蒸気でパンを焼き上げます

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    水蒸気でパンを焼くので、加熱中は本体上部から水蒸気が立ち上ります

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    焼き目をつけない加熱といえば電子レンジがありますが、ヘルシオ グリエは電子レンジ加熱よりも、食材に水分を多く残せます

もちろん表面をカリッと焼いたトーストもうまい!

水蒸気を使った加熱というと、表面をパリッと焼く一般的なトーストのできあがりが気になります。シャープによると、過熱水蒸気を使った調理方法は、同じ温度のヒーターで単純に加熱するよりも熱量が多く、効率的に食材を加熱できるそうです。AX-GR1に搭載されたトーストモードは、約250℃という高温の水蒸気でパンを焼くため、表面はパリッと、中心はフワフワのトーストに焼き上がります。

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    トーストモードで加熱した、人気の食パン専門店「パン士郎」の本食パン。外はサックリしているのに、中はしっとりモチモチとした食感。なんといっても、パンの耳まで柔らかいのが驚きでした

ヘルシオ グリエならではのメリット

ヘルシオ グリエは過熱水蒸気による調理のため、単純にヒーターで加熱するトースターにはできない調理も可能です。うれしいポイントのひとつは、複数の食材を同時に加熱できること。たとえば、一般的なトースターで食パンと目玉焼きを同時に焼くと、一方がうまく焼けません。一方の過熱水蒸気調理は、温度の低い食材から加熱されやすいため、一度に異なる食材を調理できるのです。

  • 標準的なトースターで3分加熱。トーストはちょうどよい焼け具合ですが、目玉焼きは白身がほとんど生。カボチャもまったく火が通っていません

  • 標準的なトースターで6分加熱。ベーコンと白身は良い感じに加熱できましたが、トーストは焦げてしまいました。カボチャは一部生っぽいところが

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    AX-GR1で6分加熱。1すべての食材が良い感じに加熱されているのがわかります

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    発表会の会場では、AX-GR1で加熱したクロワッサンや調理パンも試食できました。クロワッサンは表面サクサク! 目玉焼きを乗せたパンも、全体にまんべんなく火が通っていました

またAX-GR1は、モードの追加やデザインが変更されたほか、焼き網が外れるようにもなりました。庫内に手が届きやすくなり、メンテナンス性もアップしています。

  • ヘルシオ グリエ AX-GR1
  • ヘルシオ グリエ AX-GR1

    焼き網はフックで固定する方式になったため、外して庫内を掃除しやすくなりました