同じType-Cコネクタを使ったインターフェースながら、性能も対応機器も異なるUSB Type-CとThunderbolt 3だが、ドッキングステーションを購入するとしたらどちらを選ぶべきだろうか。

ちょっと考えると、高速なThuderbolt 3が利用できるならこちらを選んだ方がよさそうだが、USB-CマルチメディアハブとThunderbolt 3 Dock Coreで、USB HDDや外部ディスプレイを接続してベンチマークテストを行ってみたところ、その性能差はほとんどない(場合によってUSBが上回る)ことがわかった。

  • Mac用の3Dベンチ「GFXbench for Metal」で、USB-Cマルチメディアハブ(結果左)とThunderbolt 3 Dock Core(結果右)にHDMI/DisplayPort外付けしたFHDディスプレイでのベンチマークを行なった。USB接続でもThunderbolt接続とほとんど変わらない

  • USB 3.0接続のHDDをUSB-Cマルチメディアハブ(結果左)とThunderbolt 3 Dock Core(結果右)にそれぞれ接続してベンチマークアプリ「AJA System test Lite」でベンチマークテストを行った。意外なことに(誤差程度だが)USBのほうがやや上回った

もっとも、今回のテストは限られたものなので、もっとシビアな環境ではThunderbolt 3の実力がもっと発揮される可能性もあるのだが、ライトユーザーにおいては、少なくとも性能を理由とした比較はしなくていいだろう。

テスト結果や販売価格を考えると、一般ユーザーにとってはUSB接続のドックで十分だろう。Windows、Mac、Android、iPad Proなどでドライバーソフトをインストールせずにそのまま使える汎用性の高さも、複数のデバイスを使いこなしている人には嬉しい点だ。

一方、Thunderbolt 3対応製品は、SSDやRAIDといった転送速度が高い機器でこそ本領を発揮するだろう。また、これはレアケースだが、T2チップを搭載したMacBookシリーズでは、USB経由でオーディオを取り込む際に、MacBookに直接接続しているとデータを取りこぼしてしまうケースがあるという。この場合、Thunderbolt 3のドッキングステーション経由だと取りこぼしが起きないとのことで、もしこうしたトラブルが発生している場合は、Thunderbolt接続のドッキングステーションを試してみる価値がありそう。いずれにしてもThunderbolt 3製品はやはり「プロ向け」ということになるだろう。

自宅にテレワーク用のデスクを作らねばならないというようなケースでも、ケーブル1本でさまざまな機器を手軽に繋げられるドッキングステーションの存在意義は大きい。普段は気軽にノート1台で好きなところに移動し、テレワークの間だけ各種周辺機器を繋いで本格的に作業、といったワークスタイル、一度体験してみてはいかがだろうか。