汎用性の高いUSB 3.0(USB Type-C)で接続するドッキングステーションだ。本来、ポート数を拡張するための機器である「ハブ」という名前が付いているが、内部的にはそれぞれのハブの先に変換アダプターが付いていて、1台接続するとそれぞれの機器が一度に使えるようになる、と考えればいいだろう。
本機で拡張できるポートは、USB Type Ax2、USB Type-C(USB PD対応)x1、SDカードx1、HDMI(4k/30Hz)x1、ギガビットイーサネットx1。USB PDのパススルー給電(最大60W)に対応しているため、マルチメディアハブ側のType-Cポートに充電アダプターを接続し、備え付けのType-CケーブルでPCに接続すれば、1ポートの占有で充電しながら各種周辺機器も利用できる。もちろん、電源アダプターがなくても、単体でマルチ機能のアダプターとして活用できる。
本機は幅123x奥行き53x高さ16mm(ケーブル含む)、重さ118gと軽量・コンパクトで、さらにUSB Type-Cケーブル(約10cm)も備え付きだ。これはあくまで筆者の個人的な好みだが、ドッキングステーションはケーブル接続式がいいと思っている。本体に密着して、一体型のように接続できるタイプは、見た目こそ美しいのだが、ドッキングステーションに何らかの力がかかった場合、コネクター部が破損しやすい。特にUSB Type-Cコネクタは強度的に信頼性がおけず、ちょっとノートPC本体が傾いたり、ドッキングステーションに手が当たったりした程度の力がかかっただけで破損しかねない。
また、ドッキングステーションはたくさんのケーブルを接続することになるため、コネクター同士が干渉してかなりカオスな状況になりやすい。そういう点で、ケーブルでドッキングステーション本体を安全な場所に逃がせる本機のような作りは理想的なのだ。
MacBook Airに接続してみたが、ポートを1つしか使わずに充電しながら周辺機器も繋げられるのは、やはり便利。またUSB Type Aの機器も利用できるので、既存のHDDなどがそのまま利用できるのもありがたい。外部ディスプレイ接続も試してみたが、こちらも問題なくHDMI経由でディスプレイに表示できただけでなく、FHD表示ではあったが、意外と速度も出ている。USBグラフィックアダプターというと「表示はできるが遅いしドライバが必要など、不便なもの」という印象だったのだが、これはうれしい誤算だ。
ちょっと注意したいのは、USBポートの電源供給が0.5Aまでなので、外付けのDVDドライブのような標準以上の電流を要求する機器が使えないこと。ディスクを入れると頑張って回そうとしたが、結局マウントできなかった。Appleの「Super Drive」のように外部電源が利用できないタイプのドライブは、本機では利用できないので注意したい。
とはいえ、多くのユーザーにとって、必要十分な機能を提供してくれる心強いアイテムだ。周辺機器の接続などで困っている場合は、とりあえずこのクラスの製品が1つあれば大丈夫だろう。