韓国LG Electronicsは現地時間10月20日、画面を巻き取って収納できる世界初のロール式テレビ(rollable TV)、「LG SIGNATURE OLED R(モデルRX)」を、韓国の主要中心部にある7つの高級家電店で発売すると発表した。価格は1億ウォン(87,000米ドル)で、日本円換算で約919万円。

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    LG SIGNATURE OLED R(モデルRX)

65V型のフレキシブル有機ELパネルを採用したテレビ。2019年の「CES 2019」にあわせて発表され、翌2020年の「CES 2020」LGブースでも展示されていた。製品名の「R」は、「テレビが回転可能であること(rollable)」「テレビがホームエンターテインメントスペースでも革命的であること(revolutionary)」にちなむ。

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    CES 2020のLGブースで展示されていた「LG SIGNATURE OLED R」(撮影:山本敦)

ボタンを押すだけで有機ELパネルを立ち上げたり、本体下部に収納することが可能。パネルをすべて引き出してテレビを楽しむ「Full view」、パネルの一部を立ち上げて音楽再生や時計、ホームダッシュボードなどの画面を表示させる「Line view」、パネルを完全に収納する「Zero view」の3つの状態が選べる。本体下部にはスピーカーを備え、Zero viewの状態でも音楽を再生して「豊かで最適化されたサウンドを楽しめる」という。

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    パネルをすべて引き出してテレビを楽しむ「Full view」のイメージ

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    パネルを完全に収納する「Zero view」のイメージ

独自のAIプロセッサー「α9 Gen3 AI Processor 4K」を備えており、ディープラーニングアルゴリズムを使用して画面上のコンテンツを分析し、自動で画質を向上させられる。HDR映像技術のDolby Visionや、室内の明るさに合わせてDolby Vision映像を最適化する「Dolby Vision IQ」、立体音響のDolby Atmosに対応。映画やテレビ番組など、制作者の意図通りの映像を視聴できる「FILMMAKER MODE」も搭載する。

HDMI 2.1対応のHDMI入力を備え、最大48Gbpsの帯域幅をサポート。コンテンツの種類に応じて画質とレイテンシーのどちらを優先するかを自動で切り替える「ALLM(Auto Low Latency Mode)」や、画面割れ(ティアリング)やカクつきを抑える「VRR(Variable Refresh Rate)」などが利用できる。他にも、ロスレス音声やオブジェクトオーディオを伝送できるeARCに対応する。ゲーム用途を想定し、1ミリ秒という高速応答性や、HDRゲーム対応もアピールしている。

Apple TVやDisney +、Netflix、LG Channelsといった映像配信サービスが利用できる。LG独自のAI「ThinQ AI」も搭載し、自然な音声認識でホームIoTエコシステムを簡単にコマンドアンドコントロールできるという。GoogleアシスタントとAmazon Alexaによる音声操作にも対応する。

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本体の素材はつや消しアルミニウムを採用しており、メッセージを刻印することもできるという。デンマークKvadrat(クヴァドラ)によるスタイリッシュでモダンなウールスピーカーカバーを備えており、カバーの色合いはシグネチャーブラック、ムーングレー、トパーズブルー、トフィーブラウンの4色から選べる。

なお、シャープも同様に画面を巻き取れるフレキシブル有機ELディスプレイを国際放送機器展「Inter BEE 2019」や「CES 2020」などで出展しており、こちらは業務用途向けを想定して開発されている。