2019年にスタートしたデジタルカードゲーム『Shadowverse』の大学生リーグ「Shadowverse University League」が、2020年も開催されている。2シーズン目となる2020年、この大会でひとつの新プロジェクトがスタートした。同リーグの「新たな魅力を発掘し、発信することを担う」ものとして、「シャドウバース大学生リーグ広報部」が設立されたのだ。メンバーもまた大学生のみに絞ったこの広報部の狙いについて、キーマンであるShadowverse メディアプランナー チームリーダーの川上尚樹氏とメディアプランナーの野村敦宗氏に話をうかがった。

チームの一体感を味わえる専用ルールが魅力の大学生リーグ

――まずは大学生リーグの狙いを教えてください。

川上氏:もともと『Shadowverse』は幅広い年齢層をターゲットとしています。高校生限定、女性限定といった大会がすでにあるなかで生まれたのが、大学生をターゲットにした「Shadowverse University League」(以下、大学生リーグ)です。

  • シャドウバース大学生リーグ広報部

    Cygames Shadowverse メディアプランナーチームリーダーの川上尚樹氏

野村氏:1年を通じて戦うのがこの大会最大の特徴です。2020年は2シーズン制を採用しています。大学の学期とあわせて4から9月をファーストシーズン、10月後半から来年3月をセカンドシーズンとし、最終的にはそれぞれの上位入賞チームが3月に開催されるグランドファイナルズで争い、年間のチャンピオンを決めます。

4月からではありますが、5月くらいまでは実質的に各サークルが新入生を勧誘したり、メンバーを決めたりといった準備期間。ゴールデンウィークが明けた辺りでエントリーをするチームが多く、試合は6月から9月に行われています。

  • シャドウバース大学生リーグ広報部

    Cygames メディアプランナーの野村敦宗氏

  • シャドウバース大学生リーグ広報部

    2019年度グランドファイナルズの様子

川上氏:大学生リーグと名乗っていますが、専門学校や高等専門学校、短大、大学院に通う人もエントリーできます。また、フリーエントリー制なうえ、同じ大学から複数のチームが参加することも可能です。

――ほかの大会にはない魅力はどんなところでしょう?

川上氏:見どころは5人対5人のチーム戦。大学対抗であると同時に、サークル対抗といった面もあります。

ルール面でもこのリーグ専用のものを用意しています。勝ったほうが残るのではなく、負けたほうが残り、先に5勝したチームが勝ち。つまり、全員が1回ずつ勝たないとチームの勝利にならないのです。

勝ったほうが抜ける「負け残り戦」であるため、強い人が1人だけいる一点突破型のチームでは勝てません。また、個人のプレイヤーとしてのスキルはもちろん、チーム全体での戦略も非常に重要になってくるので、チームの一体感や達成感が味わえるルールになっているのではないでしょうか。

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    チームの一体感が醸成されるルールを採用。写真は2019年度のグランドファイナルズのもの

――大会はどれくらいの規模なのでしょう?

野村氏:2019年は4シーズン制で、延べ280チーム、1シーズン平均70チームが参加しました。

2020-21のファーストシーズンは62チームに参加いただいています。数字上は少し減ってしまっていますが、これは新型コロナウイルスの影響で新入生の勧誘が進まなかったり、サークル活動が滞ったりしているのが原因だと考えています。

リーグのコミュニティサイトには5人以上のメンバーを有するサークルが100以上登録されていますので、学生や大学生を対象としたチーム戦の大会としては、国内最大規模でしょう。

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    多くのチームが参加するなか、2019年度グランドファイナルズでは横浜国立大学が優勝した

――大学生からの認知度も高く、集まる人数が確保できていると言えそうですね。

野村氏:参加したい意思を持つサークルをそれだけ確保できているということですね。ほとんどのサークルにとっては、きちんと新しいメンバーが入ってチームに新陳代謝を起こすことがひとつの課題であるはずです。昨年度と比較してみると、次世代へうまくリーダーを引き継げているサークルが多い印象も受けます。これもまた、大学生リーグの特徴的なところではないでしょうか。