AMDは10月9日、新たに「Zen 3」アーキテクチャをベースとしたデスクトップ向けCPU「Ryzen 5000シリーズ」を発表した。まずは「Ryzen 9 5950X」(16C/32T)、「Ryzen 9 5900X」(12C/24T)、「Ryzen 7 5800X」(8C/16T)、「Ryzen 5 5600X」(6C/12T)の4モデルを11月5日より発売する。

(2020年10月9日2時追記:詳報記事「Zen 3 Update - Ryzen 5000シリーズの詳報とRadeon RX 6000の性能」を掲載しました)

  • Ryzen 5000シリーズを発表するAMDのLisa Su(リサ・スー) CEO

    Ryzen 5000シリーズを発表するAMDのLisa Su(リサ・スー) CEO

Zen 3ベースのRyzen 5000シリーズの製造プロセスは、現行のZen 2と同様にTSMCの7nmプロセスだが、動作クロックを引き上げるとともに、クロック当たりの処理能力(IPC)の向上も図ることで、より高い性能を狙った。CPUダイのコアレイアウト(CCX:Core Compute Complex)にも手を加えており、Zen 2の4コア(16MB L3)のCCXから、Zen 3は8コア(32MB L3)のCCXへと構成を変更、これによりキャッシュアクセスのレイテンシ削減を実現したという。結果として消費電力あたりの性能は前世代比で20%向上したといい、競合CPUに対する性能優位をさらに拡げたとアピールしている。

  • Zen 3アーキテクチャの主な特徴。IPCは19%向上

  • Zen 2ではCPUコア4基あたりで1つの16MB L3を共有していたが、Zen 3のRyzen 5000シリーズではコア8基で32MB L3を共有する構成に変更することで、キャッシュアクセスのレイテンシがかなり削減されたとしている

  • Ryzen 5000シリーズ。ヒートシンクを外したCPUパッケージのイメージ。上半分に8コア(32MB L3)のCCXダイが2個並んでいる

本日発表されたRyzen 5000シリーズのラインナップと主な仕様は以下の通り。4モデルとも11月5日に発売する。

モデル Ryzen 9 5950X Ryzen 9 5900X Ryzen 7 5800X Ryzen 5 5600X
コア/スレッド 16C/32T 12C/24T 8C/16T 6C/12T
ベースクロック 3.4GHz 3.7GHz 3.8GHz 3.7GHz
ブーストクロック 4.9GHz 4.8GHz 4.7GHz 4.6GHz
L2+L3キャッシュ 72MB 70MB 36MB 35MB
TDP 105W 105W 105W 65W
メモリ DDR4 3200MHz DDR4 3200MHz DDR4 3200MHz DDR4 3200MHz
PCI Express PCIe 4.0 PCIe 4.0 PCIe 4.0 PCIe 4.0
パッケージ AM4 AM4 AM4 AM4
製造プロセス 7nm FinFET 7nm FinFET 7nm FinFET 7nm FinFET
参考価格 799ドル 549ドル 449ドル 299ドル
  • Ryzen 9 5950Xの概要

  • Ryzen 9 5900X、Ryzen 7 5800X、Ryzen 5 5600Xの概要

対応チップセットはAMD 500シリーズとAMD 400シリーズ。AMD 500シリーズについてはCPU発売にあわせて既存製品へのBIOSアップデートなどを含めたサポートがはじまるが、AMD 400シリーズで対応するのは2021年1月頃になるという見通しが示されている。

  • ここぞとばかりに、プレステとXboxの次世代機にAMDのプロセッサが採用されていることも紹介していた。こちらも発売が近づいており非常に楽しみ