ロジクールは10月1日、同社のハイエンドマウス「MX」シリーズの新モデル「MX Anywhere 3 コンパクト パフォーマンスマウス」(以下MX Anywhere 3)を発表した。10月29日より発売が開始予定で、オンラインストアでの価格は10,780円(税込)だ。試用する機会を得たので、さっそくレビューをお届けしたい。
MXシリーズのコンパクトモデルは2017年6月に発売された「MX Anywhere 2S」以来、実に3年ぶりの刷新。本体サイズは幅100.5mm、奥行き65mm、高さ34.4mmと旧モデルとほぼ同サイズながら重量は99gと7gの軽量化を実現している。さらに、2019年9月に発売されたフラグシップモデルの「MX Master 3」の機能を取り入れているのが最大の特徴だ。
接続インタフェースはUnifyingレシーバーによる2.4GHzワイヤレスとBluetoothの2種類。最大3台のデバイスを登録でき、底面のEasy-Switchボタンで切り替えられる。本体カラーはグラファイト、ペイルグレー、ローズの3色が用意されている。なお、Mac向けの「MX Anywhere 3 for Mac」もラインナップ。こちらは接続がBluetoothのみで、カラーもホワイト一色のみだ。
最大の特徴はMX Master 3にも採用されている独自開発のMagSpeed電磁気スクロールホイールだ。ゆっくりと動かせば、1行ごとにカチカチとした感覚を得られる精密操作のラチェットモードとして動作するが、勢いよく回転させると自動的に1秒間で1000行もの高速スクロールが可能なフリースピンモードに切り替わる。
軽く指で弾くだけで簡単にフリースピンモードになるので、WebサイトやPDFなど情報が縦長になりやすいアプリを扱うときにとても便利。さらに、回転中ホイールはちょっと触れればピタッと止まってくれるので、高速スクロールしていても見たい情報の箇所でラクに停止できる。なお、上部のホイールシフトモードボタンを押せば常にフリースピンモードに切り替えも可能だ。
ユニークなのが専用アプリの「Logicool Options」を使えば、スクロール感度の調整ができること。「スクロールの力」という項目で、ラチェットモード時に1行送るための感度を調整できる。高くすれば1行送るのに多くの回転が必要になり、低くすれば少しの回転で1行送れるようになる。これはMX Master 3にはない機能だ。
このほか、MX Master 3には左側面に水平スクロールに便利なサムホイールが備わっていたが、MX Anywhere 3ではサイドボタンを長押ししながら、スクロールホイールを回すことで同じ操作を実現。Excelなどで横方向のスクロールもしやすくなっている。
専用アプリの「Logicool Options」には、WordやExcelなどアプリごとに最適な機能が各ボタンに割り振られたプリセットが用意されているが、MX Anywhere 3では新たにMicrosoft TeamsとZoomが加わった。サイドボタンにビデオと音声のオン、オフが割り当てられており、テレビ会議中に子供やペットが入って来ても対応しやすくなっている。この機能は、Logicool OptionsをアップデートすればMX Master 3でも利用可能だ。
充電はType-Cコネクタを使用し、急速充電にも対応。1分の充電で約3時間動作、2時間のフル充電で最大70日間使用可能と十分なバッテリー駆動時間が確保されている。なお、乾電池は利用できない。
コンパクトな高性能マウスを求めていた人には待望の製品ではないだろうか。持ち運びやすいのはもちろん、MX Master 3を使ってみたいけど大きすぎる、重すぎると思っていた人にもピッタリとハマるだろう。筆者は普段MX Master 3で仕事をしているが、ワイヤレスかつこの性能で99gの軽さは魅力的。思わず乗り換えたくなる力を持っている一品だ。