テレワーク需要の高まりとともにノートPCの出荷台数が増え、合わせて液晶ディスプレイも好調です。最近のノートPCはほとんどが外部映像出力を備え、液晶ディスプレイと合わせて簡単にマルチディスプレイを構築できます。「ノートPC+液晶ディスプレイ」という使い方をしている人は多いのではないでしょうか。
ノートPC+液晶ディスプレイの便利さは言わずもがな。一度使うとノートPCだけの環境にはとても戻れません。そして、液晶ディスプレイは大画面・高解像度であるほど快適です(設置場所など制限と限度はありますが)。
ここではそんなテーマのもと、EIZOから液晶ディスプレイ「FlexScan EV2795」(以下、EV2795)をお借りして使ってみました。しかも2台。なぜ2台なのかは中盤で。EV2795は27型のIPS方式、解像度が2,560×1,440ドットのWQHD(アスペクト比16:9)の製品で、付加的な機能がとても豊富です。
直販サイトのEIZOダイレクトで税込93,500円と近ごろの液晶ディスプレイとしては高価ですが、ほぼ同等の機能を持った24.1型IPSでWUXGA(1,920×1,200ドット)の「FlexScan EV2495」もあるので(直販で税込72,600円)、比較検討してみるとよいでしょう。結論からいって、EV2795は買って損のない液晶ディスプレイです。予算があれば2台ほしい!
ノートPCとUSB Type-Cケーブルでつなぐと、いろいろ実現
一部繰り返しになりますが、最初にEV2795の基本スペックをまとめておきます。画面サイズは27型、液晶パネルはIPS方式、解像度は2,560×1,440ドットのWQHD、画面はノングレア(非光沢)、画素密度は109ppi、輝度は350カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1,000:1、視野角は上下左右とも178°、応答速度は中間階調域で5ms、色域はsRGB相当です。
EV2795を見てまず思ったのは「ベゼル狭っ」ということ。上部と左右だけでなく、下部がここまで狭いのは珍しい部類です。2台のEV2795を横に並べると、ベゼルの狭さが一層きいてきます。加えて、EV2795のピボット機能(画面の縦回転)は右にも左にも回るため、2台を縦画面にして並べるときに、画面の上部同士をピタッとくっつけて配置できるのです。スタンド機能はそのほか、上35°と下5°のチルト、左右344°のスイーベル、176.6mmの高さ調節に対応し、各種ケーブルをスタンド背面にまとめるカバーも付いています。本体部分のVESAマウントは100mmです。
映像入力は、HDMI、DisplayPort、USB Type-Cの3系統。中でもUSB Type-Cに注目です。
ノートPCのUSB Type-C端子と接続することで、ノートPCからの映像入力、ノートPCへの電力供給、EV2795のUSBハブ使用を、USB Type-Cケーブル1本で実現できます。ノートPCへの電力供給はUSB PD(Power Delivery)に準拠し、最大70Wの給電が可能。ノートPCのACアダプタと電源ケーブルが不要になるのもうれしいところ。ただしこれらをすべて得るには、ノートPC側のUSB Type-C×1基が「映像出力(DisplayPort Alt Mode)」「USB PDによる電源入力」「データ転送」に対応していることが必要です。
2台のPCで使い分けられるドッキングステーション機能が便利
EV2795のUSBハブは、USB 3.1 Gen1×4基(USB Type-A×3、USB Type-C×1)のダウンストリームポートと、USB Type-C×1基とUSB Type-B×1基のアップストリームポートという構成。切替器としての機能も備えており、PC1をUSB Type-Cアップストリーム、PC2をUSB Type-Bアップストリームに接続すると(PC2の映像入力はHDMIかDisplayPort)、ダウンストリームポート×4基をPC1とPC2で切り替えながら使えます。
たとえば、EV2795のUSBハブにキーボードとマウスをつないでおくと、KVM(Keyboard-Video-Mouse)切替器にもなるわけです。EV2795のOSDで映像入力の系統を選ぶと、USBの接続先も切り替わります。USB切替器を別途用意せずに愛用のキーボードとマウスを2台のPCで手軽に使い分けられるのは、普段から2台のPCを使っている人にとってはとても便利な機能でしょう。さらに、EV2795にはGigabit Ethernet対応の有線LANポートもあり、USBハブと同じく切り替え対応です。