センサーを新規開発したEOS R5のほうが電子シャッターゆがみは少ない

――電源スイッチの位置や形状はEOS RやEOS RPと同じですが、これがベストなのでしょうか。

浅井さん:電源スイッチは、この位置が使いやすいと私たちは考えています。理由としましては、トップカバー右側は撮影に関する操作をまとめ、電源ボタンの誤操作を防いでいます。また、EOSの特徴として、シャッターボタンまわりの造形を重要視しています。ですので、他社のようにシャッターボタンの周りに同軸で電源スイッチを置くのは、EOSではおそらくないかなと考えています。もちろん、右手で電源を操作したいという要望があることは十分理解していますので、今後も継続的に検討していきたいとは考えています。

  • EOS R5(上)、EOS R6(下)とも、円形の電源スイッチが左肩の部分に設けられている

――レンズ交換の際にシャッター幕が閉じるようにもできますが、耐久性などに影響ありますか。

浅井さん:耐久性は影響ないように設計しています。ちなみに、レンズ交換の際にシャッター幕が閉じた状態と開いた状態が選べるようにしたのは、レンズ交換の際にイメージセンサーにゴミが付着するのを気にされる方が多く、レンズ交換の間はシャッターを閉じておきたいとする要望がある一方で、電子シャッターを使って静かに撮影しているシーンでレンズ交換する際にシャッター幕が閉じるとカシャカシャ音がしてしまうのを防ぐためです。ユーザーの方に機能の存在を理解していただき、適宜使い分けしてもらえればと考えています。当然のことながら、シャッター幕は直接指で触ったりしないようにしてください。

――電子先幕によるメカシャッターでは両モデル12コマ/秒としています。一方、耐久性はEOS R5が50万回、EOS R6が30万回としています。シャッター機構は両モデル同じなのでしょうか。

浅井さん:シャッターユニットのみの耐久性に関してはお答えできませんが、カメラとしての耐久回数はEOS R5のほうが高くなっています。なお、いずれもシャッターの走行音やブレーキ音など考慮して設計しております。

――電子シャッターの場合、EOS R5のほうがEOS R6よりもローリングシャッターゆがみが少なく思えます。

浅井さん:先に述べた通り、EOS R5のイメージセンサーは新規に開発したもので、ローリングシャッターゆがみもある程度の改善が見られると思われます。無音であることも含め、電子シャッターは積極的に活用していただきたいですね。

――動物顔検出機能はイヌ、ネコ、トリを対象としていますが、それ以外の動物には対応しないのでしょうか。

佐藤さん:イヌ、ネコ、トリ以外の動物は、今後市場の声を聞きながら検討していきたいと思っています。イヌ、ネコ、トリもさまざまな種類がありますが、ディープラーニング技術で可能な限り写真を覚え込ませており、日常の仕様には不足はないかと考えております。なお、撮影を重ねていくとカメラが学習して認識が賢くなる機能は搭載していません。動物顔検出機能は、条件によってイヌ、ネコ、トリ以外でもピントが合うことがありますが、現時点では保証外と考えてもらえればと思います。

AFは人物優先か動物優先かを選べますが、人物優先にしていても動物を検出すればそちらにピントを合わせます。ちなみに、人物の後頭部検出もディープランニングを応用した機能です。

――ありがとうございました。