160MHz幅2,402Mbpsの高速通信に対応し、セキュリティ性も優れる
無線LANの仕様だが、2.4GHz帯と5GHz帯のいずれも2ストリーム(2×2)対応のデュアルバンドだ。アンテナは外部に4本。2.4GHz帯と5GHz帯のそれぞれにパワーアンプを2個ずつ用意することで、電波強度を高めている。
通信速度は、2.4GHz帯が最大574Mbps、5GHz帯はバンド幅160MHzに対応しているため最大2,402Mbpsとなる。税別で1万円を下回る価格ながら、5GHz帯域で160MHz幅に対応して最大2,402Mbpsという高速な通信速度(規格値)は、ライバル製品に対する大きなアドバンテージとなりそうだ。
無線LANのSSIDは、標準では2.4GHz帯と5GHz帯で同一のSSIDを利用するようになっており、5GHz帯へ優先的に接続する設定。もちろん、2.4GHz帯と5GHz帯で個別のSSIDを指定して運用することも可能だ。
有線LANポートは本体後方に用意。WAN用(インターネット側)×1ポート、LAN用×3ポートの計4ポートを備え、いずれもギガビットイーサネット対応となる。
メインのプロセッサには、1.4GHz動作のクアッドコア「Gigahome 650」を採用。メモリも256MBと比較的大容量となっており、推奨接続クライアント数も128台と余裕がある。このほか、OFDMA、2ストリームのMU-MIMO、ビームフォーミングに対応する。
このGigahome 650はファーウェイの独自規格である「Wi-Fi 6 Plus」をサポート。Wi-Fi 6 Plusは、標準規格のWi-Fi 6との完全な互換性を確保しつつ、ファーウェイが独自に仕様を拡張したもので、通信の実効速度が高速化されるという。
具体的な仕組みは不明ながら、無線帯域の利用効率を高めることで実効速度の高速化を実現しているとのこと。特にWi-Fi 6 Plus対応クライアントとの間では最大限の高速化が実現されるとしている。
なお、2020年8月の時点でWi-Fi 6 Plus対応クライアント(子機)は、ファーウェイのスマホ「P40 Pro 5G」のみ。P40 Pro 5Gを接続すると、無線LANのアンテナピクトの横に「6+」の表記が確認できた。これによって、Wi-Fi 6 Plusで接続していることがわかるようになっている。
セキュリティ仕様は、国際セキュリティ評価基準「CC(Common Criteria)」の評価保証レベル「EAL5」を取得している。通常、商用向けネットワーク機器では「EAL4」の取得が推奨されているが、AX3はそれを上回るレベルの認証ということで、個人向けとしては非常にリッチなものだ。また、各種設定情報やユーザー情報を独立したセキュアゾーンに保存する「TrustZone」の用意や、不正アクセスを自動認識してブラックリストに追加しアクセスを遮断するといったセキュリティ機能「Huawei HomeSec」も搭載するなど、セキュリティ性の高さも特徴となっている。
合わせて、Wi-Fiの暗号化方式はWPA/WPA2に加え最新のWPA3に対応。クライアントのアクセス制限やペアレンタルコントロールなどの基本的なセキュリティ機能もしっかり用意している。
なお、国内の高機能無線LANルータのような豊富な付加機能はない。例えば、USBポートにHDDなどのストレージデバイスを接続して簡易ファイルサーバとして利用するといった機能は持たない。このあたりは、コストダウンを実現するためのものと考えていいだろう。
残念なのは、日本のISPが採用している「IPv6 over IPv4トンネリング(IPv6 IPoE)接続」に対応していない点だ。AX3自体はIPv6もサポートしているが、IPv6 IPoE非対応のため、v6プラスやTransix、OCNバーチャルコネクトなどの高速なISP接続サービスを利用できない。海外製ルータではよくあることだが、できれば今後のファームウェア更新などで実現してもらいたい。