中国のスマートフォンメーカー「ZTE」傘下の「Nubia」が、日本で初めてリリースする端末が「RedMagic 5」です。日本語のWebサイトと販売ページが開設されるという唐突な参入で、大々的という感じではありません。通常のスマートフォンを買うときのように、キャリアショップや国内販売店での手厚いサポートは期待できないかも。ただ、日本の規制はクリアしているため、そういう意味では安心して購入できる、ゲーミングスマホのニューカマーです。
ハイパフォーマンスのゲーミングスマホ
最近はゲーミングPCのように、スマートフォン業界にも「ゲーミング」旋風が巻き起こっています。スマートフォンゲームも進化を遂げ、PCゲームのような美しいグラフィックスで派手な演出を盛り込んだゲームも増えてきました。ゲーミングスマホは、そういうゲームを楽しむためにさまざまな機能を盛り込んでいるのです。
グローバルではそうしたゲーミング性能をアピールする製品がいくつか登場しており、差別化がしにくくなってきたスマートフォン業界では1つの流行となっています。ASUSの「ROG Phone」が代表的でしょう。今回のRedMagic 5は、そんなゲーミングスマホに名乗りを上げたモデルです。
RedMagic 5はゲーミングスマホということで、とにかくビッグタイトルも安定して動作させることを主眼に置き、スペックはハイエンドです。SoCはSnapdragon 865 5G、メモリは高速なLPDDR5で8GBまたは12GB、ストレージはこちらも速度を重視したUFS3.0で128GBまたは256GB。日本では8GB+128GB、12GB+128GBの2製品が販売されています。価格はそれぞれ629ドル、649ドルです。
6.65インチAMOLEDディスプレイ(有機EL)は、解像度が1,080×2,340ドットのFHD+ながら、最大144Hzのリフレッシュレートに対応。画面タッチのサンプリングレートも最大240Hzとなっています。高速で動くゲームのグラフィックスがなめらかに描かれ、タッチしてすぐに反応する機敏さがある……ということになります。
描画やタッチ性能は、通常のスマホよりもゲーミングスマホのほうが重要視される点でしょう。特にスマートフォンのゲームはタッチ操作が多いため、タッチの反応がよいのは重要です。実際のところ、どこまで違いがあるかはヘビーゲーマーでないと分からないかもしれませんが、少しでも違いがあるようなら、そうしたユーザーにとっては大切なポイントになります。
パフォーマンスに関してはベンチマークを実行してみました。「3DMark」の「Sling Shot Extreme」は、OpenGL ES 3.1で7293、Vulkanで6645という高得点。「GeekBench 5」でもSingle-Coreが899、Multi-Coreが3215でした。「GFX Bench 5.0」の結果は以下の通りです。
- 1080p T-Rex Offscreen【11462】
- T-Rex【 7881】
- 1080p Manhattan Offscreen【 7751】
- Manhattan【 6634】
- 1080p Manhattan 3.1 Offscreen【 5406】
- Manhattan 3.1【 4549】
パフォーマンスは最上位クラスといってよさそうです。ディスプレイ品質も合わせると、現在のスマートフォンゲームであればおおむね問題なく動作すると思われます。レーシングゲームの「アスファルト9」、バトルゲーム「PUBG Mobile」など、いくつかのゲームを試してみましたが、ディスプレイの反応、ゲームの進行、映像の描画など、いずれも問題を感じませんでした。