メールにファイルを添付するはずがうっかり忘れ、そのまま送信してしまうミスはよく起こりがちだ。最近はメールを使わずSlackなどのコミュニケーションツールや、またプライベートではLINEなどのSNSを使うことも増えたため、ファイルを添付し忘れるミスはその仕組みからして減った印象だが、いまなお定期的にやらかしている人は多いのではないだろうか。

こうした事情もあり、最近のメーラーでは、添付忘れを防止するための機能を用意していることが多い。中にはファイルの添付忘れを警告する機能に加えて、NGワードの監視機能、BCCに入れるはずがうっかりTO欄に多数のアドレスを入れた場合の警告機能など、プラスアルファの機能を備える場合もある。

もともと法人向けのメールサービスやグループウェアでは一般的だった機能だが、最近は個人向けのメーラーであっても、利用できるケースが増えつつある。今回はこれら機能に対応する個人向けメーラーにターゲットを絞り、外部のプラグインも含め、その具体的な挙動をまとめてみた。

「Gmail」は標準機能で対応

Gmail」は標準で、添付ファイル忘れをポップアップで警告する機能を用意している。仕組みは簡単で、メール本文に「添付します」「添付する」などのワードがあり、かつ実際には何のファイルも添付されていない時に、ポップアップが表示されるというもの。ちなみにキーワードが単に「添付」だけだと反応しないなど、若干のクセがあるので要注意。

  • Gmailのポップアップメッセージ。メール本文に「添付します」などのワードがあっても、何のファイルも添付されていない場合に表示される

「Becky!」はプラグインで対応

老舗メーラーである「Becky! ver.2」の場合は、「添付忘れ防止プラグイン」を使うとよい。「添付」「付加」「付ける」の3つのキーワードが含まれている場合に、警告ダイアログが表示される。iniファイルをエディタで書き換えれば、この3つのほかに任意のキーワードを追加することも可能だ。このほか行頭に引用マークがある行を除外する機能も備える。

  • Becky! で表示されるダイアログ。専用の「添付忘れ防止プラグイン」で特定のメッセージが含まれている場合に表示される

「Thunderbird」はダブルチェック機能を標準搭載

念入り、という意味で突出しているのが「Thunderbird」だ。メール本文に「添付」という単語が入力された時点で、必要なファイルを添付するよう情報バーを用いて促すほか、そのまま送信しようとするとポップアップで警告するという、いわばダブルチェック機能が搭載されている。プラグインを導入する必要もなく、標準で利用できるのもよい。

  • Thunderbirdの警告ポップアップ。「いいえ、忘れるところでした!」というボタンもユーモアがある

「Outlook」はアドイン利用でパワーアップ

Outlook」は、標準では添付忘れ機能を搭載していないが、無料アドイン「Outlook Okan」(株式会社のらねこ)を導入すると、添付忘れ防止のほか、指定キーワードが含まれる場合の送信禁止、さらには送信先のドメイン数が多いと自動的にBCCに切り替える機能など、誤送信防止のための多彩な機能が利用可能になる。ウェブ版(Outlook on the Web)用のアドイン(有料)も用意されている。

  • Outlook Okanによる表示。メール送信前に確認ウインドウを出すなど、おかん(お母さん)のようにメールを細かくチェックしてくれる