Webページを印刷する時、ヘッダやフッタ、インデックスなど、コンテンツ以外の要素はなにかと邪魔なもの。Chromeなど一部のブラウザは、Webページの選択した範囲だけを印刷する機能を備えるが、選択できるのはあくまでドラッグ1回で選択できる範囲だけ。離れている複数の要素を選択したり、あるいは除外したい要素を選択する機能はない。

  • Chromeは選択範囲だけを印刷する機能を備える。ページの任意の範囲をドラッグして反転させたのち、印刷(Ctrl+P)を選択

  • 印刷プレビュー画面。選択できるのはあくまでマウスで一度に選択できる範囲に限られ、複雑に入り組んだレイアウトには対応できない

これを可能にし、さらにきめ細かな印刷を行えるようにするのが、「PrintWhatYouLike」をはじめとする外部の印刷補助サービスだ。これらを使えば、Webページの中から、必要な要素だけを取捨選択して印刷することができ、結果として用紙やインクの無駄遣いを防げる。見た目がスッキリするので、PDFで保存する場合にも重宝するだろう。

今回は、こうした機能を備えた3つのWebサービスを紹介する。1つ知っていれば十分に思えるが、どのサービスもWebページとの相性がかなりあるので、使ってみてうまくいかなければ別のサービスを使うといった具合に、臨機応変に使い分けてみてほしい。

きめ細かな調整に対応した老舗サービス「PrintWhatYouLike」

PrintWhatYouLike」は、同種のサービスの中では老舗と言っていいサービス。トップページで対象となるページのURLを入力すると、ページのプレビューとともに選択用のメニューが表示されるので、不要な要素をクリックして「Remove」を押すことで、必要な要素だけを印刷できる。選択範囲を外側に拡張したい場合、また縮小したい場合は、それぞれ「Select More」「Select Less」を押すとよい。また「Widen」で幅を広げたり、「Resize」で幅を自由に可変させることも可能だ。

  • 「PrintWhatYouLike」トップページ

  • プレビュー画面。左列に表示されるメニューを用いて不要な要素を手動で除外していく

  • 印刷プレビュー画面。画像は横幅いっぱいに拡大される

不要な範囲を自動選択してくれる「Print Friendly」

Print Friendly」は、不要な要素を手動で削除していく「PrintWhatYouLike」と異なり、こちらは最初に読み込んだ段階で不要な要素が自動削除され、その後必要に応じて手動で削除を行う方式を採用している。ひとつずつ要素を省いていく手間はかからないが、まれに必要な要素まで非表示にしてしまうのが玉にキズだ。なお要素は削除(およびやり直し)のみで、「PrintWhatYouLike」のように幅を変更するなどの調節はできない。「PrintWhatYouLike」がマニュアル車ならこちらはオートマ車というイメージだ。

  • 「Print Friendly」トップページ

  • プレビュー画面。自動的に範囲選択されるため手間いらずだが、まれに必要な範囲まで自動削除してしまうこともある

  • 印刷プレビュー画面。画像は必ずしも横幅いっぱいに拡大されるわけではない

画像の一括非表示にも対応した「The Printliminator」

The Printliminator」は、今回紹介する中では最後発にあたるサービスで、ブックマークレットでの利用に特化していることが特徴。また要素単位での非表示に加えて画像の一括非表示機能も備えており、テキストだけを効率的に抽出するのに便利だが、これを使うとコンテンツ中の画像やソーシャルボタン、広告バナーなど種類を問わず一切の画像が非表示になるので注意したい。操作性は「PrintWhatYouLike」に近いが、きめ細かな調整は不得手で、自動処理と手動選択のよいところ取りをしたサービスと言えそうだ。

  • 「The Printliminator」トップページ。ブックマークレットから起動する

  • プレビュー画面。画面上をクリックして不要な範囲を除外したのち、右上のメニューから印刷を実行する

  • 印刷プレビュー画面。画像の一括非表示ボタンがあるため、テキスト主体になりがちだ