シグマは8月6日、フルサイズミラーレス用の単焦点レンズ「85mm F1.4 DG DN | Art」を発表した。カメラ内の収差補正機能を積極的に利用する設計とし、従来の85mm F1.4の交換レンズよりも大きさと重さを大幅に抑えた。「シグマの交換レンズは高性能だが、大きく重い」という声に応えた。ソニーEマウント用とLマウント用の2種類を用意する。希望小売価格は税別120,000円で、発売日は8月27日。

  • シグマが発表したフルサイズミラーレス用の中望遠レンズ「85mm F1.4 DG DN」。Artラインの高画質レンズの常識を変える小型軽量設計がポイントだ

これまで難しかった“大口径かつ高い光学性能”と“軽量コンパクトなボディ”の両立を図ったポートレート撮影向きの中望遠レンズ。

すでに販売している「85mm F1.4 DG HSM | Art」は一眼レフ用に設計されたものをミラーレス対応に仕立てたのに対し、今回発表した85mm F1.4 DG DN | Artはミラーレス専用として新規に設計した。周辺光量補正やディストーション補正(たる型、糸巻き型)はカメラ内の収差補正機能を利用するようにしたことで、大幅な小型軽量化を図った。カメラ内の補正機能ではカバーできないコマ収差などは、高性能ガラスを用いた光学設計で補正する。

  • 付属のフードを装着したところ。一眼レフ用の交換レンズをベースにした従来の「85mm F1.4 DG HSM」よりも圧倒的な小型軽量化を図った

オートフォーカスの駆動にはステッピングモーターを採用しており、高速オートフォーカスにも対応する。レンズは防塵防滴構造とした。

レンズの側面には、新たに「絞りリングロックスイッチ」を設け、絞りリングを任意の絞りやAポジションで固定できるようにした。絞りリングのクリック感の有無を切り替えるスイッチや、フォーカスモードの切り替えスイッチ、任意の機能を割り当てられるAFLボタンも設けた。

  • 側面に新設した絞りリングロックスイッチ

シグマの山木和人社長は「85mm以外の焦点距離のレンズもどんどん開発していく。シグマはフルサイズミラーレス用の交換レンズを主軸に開発していくので、一眼レフ用の交換レンズにはなかったミラーレスならではの製品を投入していきたい。ほかのマウント用は検討しているが、シグマとしてはEマウントとLマウントに注力していく方針」とコメントした。

  • ボディ内の収差補正機能を活用した新コンセプトのArtラインの交換レンズ、小型軽量ボディの「SIGMA fp」との相性はバツグン。今後もさまざまな焦点距離の製品がお目見えしそうだ

  • レンズ構成:11群15枚(SLD 5枚、 非球面レンズ1枚)
  • 絞り羽根枚数:11枚(円形絞り)
  • 最短撮影距離:85cm
  • 最大撮影倍率:1:8.4
  • フィルターサイズ:φ77mm
  • 最大径×長さ:82.8mm×94.1mm(Lマウント版)
  • 重さ:630g(Lマウント版)