豊田通商とNECは5月21日、クロマグロの幼魚(ヨコワ)を対象とした養殖魚サイズ測定自動化サービスを共同開発し、豊田通商グループの完全養殖クロマグロ育成事業会社であるツナドリーム五島とツナドリーム沖縄において、5月1日から運用を開始したと発表した。

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養殖いけす内の養殖魚のサイズは、給餌量や水揚げ時期を決定する重要な情報だが、サイズ測定時には、いけす内の撮影映像をコマ送りしながら1尾ずつ手作業で測定点を指定しなければならず、作業効率化と測定精度向上が課題だったという。

同サービスの導入によって、より正確な情報を基に給餌量や水揚げ時期を決定でき、養殖業の生産性が大きく向上するという。

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同サービスは、ツナドリーム五島とツナドリーム沖縄の養殖場での撮影協力を得て、豊田通商が持つヨコワ養殖の専門的な知見と、NECが持つAI(人工知能)技術及びIoT(モノのインターネット)技術を使用し、NECが2018年に開発した養殖魚サイズ測定自動化サービスを改良したもの。

具体的には、従来のサービスではクロマグロは60cm以上の成魚のみが対象だったが、同サービスでは測定対象サイズを20cm以上に拡大すると共に、クロマグロの幼魚であるヨコワの魚体形認識精度を上げ、ヨコワのサイズ測定においても高い測定精度を実現したとしている。

両社は、水産業において先進のAI・IoT技術の利用による持続可能な水産資源の供給に向けた取り組みを推進し、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標14「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」の達成に貢献していく方針だ。