豊田通商とスパークス・グループは25日、インドでバスアプリサービス「Shuttl(シャトル)」を展開するスタートアップ企業Super Highway Labs Pvt. Ltd.(スーパーハイウェイラボ社)に出資したことを発表した。スパークス・グループが運営する未来創生ファンドと豊田通商が共同でリードインベスターとして出資、両者あわせて1,800万米ドルになる。

2015年設立のスーパーハイウェイラボ社はインドの首都デリーに隣接するグルガオン市(グルグラム)を拠点に6都市で中・長距離バスアプリサービス「Shuttl」を展開している。

人口が多く経済が成長するインドでは、交通渋滞や大気汚染が激しい。インドのメディアポータルのひとつThe Better Indiaには、創設者のAmit Singh氏とDeepanshu Malviya氏の二人が「Shuttl」を立ち上げた経緯が掲載されているが、電子商取引のモバイルコンテンツで成果を得られなかった両氏は、課題解決のスタンスに方向を変える。輸送分野に目を向けOlaやUberのようなメジャーによりフォローされている市内での通勤ではなくバスを活用した中・長距離通勤に目を向けたことが転機になっている。

同紙には"通勤者の体験を促進する基本的なものは何ですか?車ではありません。車やタクシーと混同しますが、必要なのは「1席」だけです。"とAmit Singh氏の言葉が掲載されている。バスアプリ「Shuttl」はこのバスの1席を予約できるのだ。「Shuttl」公式ページには、アプリの画面が掲示されているが、ルートが示されたマップから時間と場所を選択し"一席"を予約。予約したバスはルート上の位置がトラッキングされアプリに"White Bus"のような形状とナンバープレート番号とともに表示されている。一席のみの"予約"により、効率的な人の輸送が可能になる。現在では、一日当たり2,000台以上のバスの運行、10万回の乗車回数を実現しているという。

豊田通商とスパークス・グループは、都市部の交通渋滞や大気汚染の緩和に寄与するサービスである「シャトル」のさらなる普及の支援と、MaaS(Mobility as a service)事業による課題の解決を目指す。