ルネサス エレクトロニクスは5月15日、レーザーダイオード(LD)ならびにフォトダイオード/フォトディテクタ(PD)事業から撤退すること、ならびに化合物半導体の生産を担当している子会社ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング(RSMC)の滋賀工場の当該生産ラインを停止することを決定したと発表した。

RSMCは、滋賀工場のシリコン製品の生産ラインについては2018年6月付けで、2~3年をめどに工場の閉鎖および集約の方針を掲げていたが、化合物半導体の生産ラインについては、生産ラインのコンパクト化による生産効率の維持・改善により、高い成長が期待される光通信市場を中心に事業の拡大を目指していた。

しかし、近年の技術・価格競争の激化によりシェアの低下や、次世代通信規格に向けた新製品の開発が遅延するなど、当初の期待ほど売り上げを伸ばすことができないことが見えてきたことから、同工場における生産ラインの合理化を進めても、今後の継続的な収益確保が難しいという判断。ほかの生産拠点での移管なども検討を行ったものの、合理的な時間軸の中で生産の移管を実現することは難しいという結論から、事業の撤退を決定したという。

当該事業の撤退により、LDやPDといった製品の生産が終了することとなるため、同社では現在、同社の当該製品を利用している顧客との間で最終所要を含めた今後の対応について相談を進めていくとするほか、顧客との協議を踏まえつつ、滋賀工場におけるすべての生産活動の停止を進めていくとしている。

なお、同社では当該事業にかかわっている従業員について、ほかの事業や工場への再配置を行っていくとしている。