ようやく新学期と思っていた矢先、国の緊急事態宣言を受けて、首都圏をはじめ多くの自治体が休校の延長を決定しました。これを機に、保護者の間でも在宅勤務に切り替わった人も少なくないと思います。

フリーランスで執筆や編集業務をしている筆者は、在宅ワーカー10余年。子どもが保育園や学童を卒業してからは、夏休みなど長期休暇のときには、家庭で子どもの面倒を見ながら仕事……という状態は今回が初めてではありません。

長期休暇はあくまでお休みなので、基本的に子どもは自由に過ごせます。ところが、今回は「臨時休校」の扱い。子どもが通っている中学校からは、「臨時休校中は自宅学習、原則15時までは外出禁止」のお達し。親としては、授業再開のことも考えて、スムーズに元の生活に戻れるように、できる限り生活リズムを崩さずに過ごさせたいところです。

  • スマートスピーカーがとっても役に立っています。写真は「Google Home Mini」です。Googleアシスタントの音声操作に対応した家電や、アラーム、簡単な計算などに活用しています。少し離れた場所からでもハンズフリーで気軽に操作できるのは、やっぱり便利

そのために肝心なのは時間管理。中学生とはいえ、まだまだ自発的・能動的に自己管理ができていません(大人でも難しいですよね)。筆者宅では、スマートスピーカーを活用することにしました。

ちょうど我が家には、GoogleアシスタントとAmazon Alexaに対応した2種類のスマートスピーカーがあり、フリーランスの筆者はGoogle Home Miniスピーカーのアラーム機能を活用中。自宅で仕事に没頭していると、夕飯の支度がうっかり遅れたり、洗濯が終わったことに気付かず放置したり……。そこで、仕事の終了や休憩、出かける10分前といったタイミングに合わせてアラームを設定し、時間を区切ってメリハリをつけて、仕事と家事を切り替えられるようにしています。

アラームは、時計やスマホでも設定が可能ですが、スマートスピーカーの利点は何といってもその気軽さ。音声で呼びかけるだけのハンズフリー操作なので、作業の手を止めず、気軽に利用できます。

  • Amazon Alexa対応スマートスピーカーは「Echo Show」。ディスプレイ搭載ということで、天気予報やニュースなどを画像・動画で確認できます。デジタルフォトフレームの代わりにもなるので、普段はお気に入りの写真をスライドショーです

スマートスピーカーで時間割

子どもの時間管理にもこの方法を応用。便利だったのは、Amazon Alexaのリマインダー機能です。我が家では、3月頭から本来の春休み期間が始まるまでの平日は、学校の時間割に沿って学習を続けていました。

Amazon Alexaのリマインダーは、スマートスピーカーを通じた音声でも設定可能ですが、5日間分の時間割をすべて音声でセットするのはなかなかの労力です。そこで最初の設定は、Alexaアプリからすべて文字入力しました。リマインダーは、頻度を「毎日」「平日」「月曜から金曜」「毎週末」「毎週水曜日」などと繰り返し設定できるので、一度設定してしまえば、翌週からは繰り返して実行してくれるのも便利です。

  • Alexaアプリ「リマインダー」の編集画面。中学校の時間割どおりに設定し、スマートスピーカーを「チャイム」代わりに、メリハリをつけて自宅学習を進めました。頻度を「毎週〇曜日」のように一度設定してしまえば、以降は繰り返されるのが便利

スマートスピーカーを使うことで、親がいちいち指示をしたり、時間管理をする必要がなくなります。子ども自身にとっても、親から注意を受けている気分にならずに時間を区切れるため、お互いにストレスを減らすことができました。

  • 指定した時刻になると、画面表示とともにアナウンスが流れます

親子ゲンカを防いでくれるスマートスピーカー

反抗期真っただ中の中学生、一日中家にいれば、どうしても親の小言も多くなりがち。スマートスピーカーは、親子のほどよいコミュニケーションにも役立っています。

スマートスピーカーのアナウンス機能を使って、親の意思をスピーカーが読み上げる音声で伝えます。スマートスピーカーのちょっと無機質で微妙な抑揚のある、ゆっくりと落ち着いた音声で伝えることで、早口で直接まくしたてられるより、言われる側は冷静に受け止められるようです。ときには子どもから反論もあったりしますが、いい具合にスマートスピーカーが仲裁役となり、親子ゲンカを止めてくれています。

  • Alexaアプリの「アナウンス」機能を使えば、スマートスピーカーを経由して離れた場所から呼びかけができます。声を録音して流してもいいのですが、反抗期の中学生には、親の声よりもスマートスピーカーのゆっくりと落ち着いた口調で読み上げる声のほうが効果的です

そのほか、意外と役に立っているのはAmazon Alexaのリスト機能。「買い物」と「やること」に分けて登録します。子どもの休校中は食事の回数が増えて、すると食材の消費も買い物も増えますね。

そこで、食材や調味料など次の買い物で調達したいものを、思いついたらどんどんスマートスピーカーに音声入力。いちいち紙とペンを手にしたり、スマホアプリを開いたりする必要がないため、思い立ったその場でメモしていけるのが何よりのメリットです。音声登録したリストは、買い物先ではスマホアプリで確認できます。また、商品をカゴに入れたその場でリストのチェックボタンを押せば、その項目(商品)が消去されていくのも便利です。

  • 思い立ったそのときに、「買い物リスト」を声で入力。紙にメモしたり、スマホアプリを開いたりすることなく、その場で即座に追加できるのがとても気に入っています

  • 登録したリストはAlexaアプリで共有できます。お店ではリストを見ながら買い物をして、カゴに入れたら各項目のボタンをタッチして消去していくのがオススメ

思いがけずマストアイテムに躍り出たスマートスピーカーとネックスピーカー

もうひとつ、在宅ワークでマストなアイテムといえばヘッドホン。仕事に集中するときのヘッドホンと音楽は以前から利用していますが、オーバーイヤー型のヘッドホンは遮音性が高い一方で、長時間の使用だと疲れを感じて最適ではありません。特に、一日中家族と一緒に過ごしていると、適度に周囲の音も聞こえる状態のほうがよいこともあります。

  • 周囲の音を完全にシャットアウトしたいときは、オーバーイヤー型のワイヤレスヘッドホン

これを機に使い始めたのは、首かけタイプのネックスピーカーです。周囲の音が適度に聞こえながらも、音楽を耳元で楽しめるため、作業に没頭できます。宅配など来訪の呼び鈴も聞き漏らさずにすみます。

また、肩に軽くかけるスタイルで耳をふさがず、長時間使っていてもさほど疲れません。周囲に音が漏れるデメリットはありますが、音を控えめしてもきちんと聞こえるので、子どもも気にならないようです。

  • 周囲の音も聞きながら音楽を楽しみたいときはネックスピーカー。音は漏れますが、小音量でもよく聞こえて、自身は集中できて家族にもうるさがられません。JVCケンウッドの「NAGARAKU」は、軽量かつ柔らかい素材で疲れ知らず。防水対応なので、水回りで家事をするときにも安心

スマートスピーカーもネックスピーカーも所有はしていたものの、どこか使いこなしていない感じがありました。今回、巣ごもり生活になってからは、思いがけずマストアイテムとして役立っています。こうした機器がご家庭で眠っているなら、筆者のように意外な使い道が見つかるかもしれません。もう一度試してみてはいかがでしょうか。

  • 子どもの部屋にはスマートスピーカーの「Echo Flex」を設置。音質は劣りますが、プラグ一体型で邪魔にならないのがメリット