富士通は4月28日、同社プラットフォーム開発本部 システム開発統括部 シニアアーキテクトの安島雄一郎氏が令和2年春の褒章において紫綬褒章を受章することが決定したと発表した。
紫綬褒章は科学技術分野における発明・発見や、学術およびスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた人物に対して授与されるもの。今回の安島氏の受賞における功績名は「超並列計算機のためのプロセッサの高次元接続技術の開発」というもので、具体的には、従来のスーパーコンピュータ(スパコン)で用いられる数万個規模のプロセッサを接続する手法では、プロセッサ間の通信干渉の問題や、一部のプロセッサが故障した場合、それを迂回するためにシステムの性能や稼働率が低下する問題があったが、通信経路を増やすことで、多くのプロセッサ同士を隣接させる「高次元接続技術」を開発することで、10万個を超えるプロセッサを接続可能にするとともに、プロセッサが故障した際にも故障した箇所の迂回によるデータ通信の渋滞と保守交換のための区画隔離を最小限に留めることを可能としたというものとなる。
同技術は「6次元メッシュ/トーラス」などの技術へと応用されており、これらの技術は理化学研究所(理研)のスパコン「京」や、次世代スパコン「富岳」、「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000(PRIMEHPC FX1000)」などに実装され、高速計算処理の実現に寄与しているという。