NTT西日本グループは4月7日、自治体・学校・家庭が連携した地域ぐるみの児童みまもり情報配信ソリューションの提供を開始すると発表した。提供料金は利用条件に沿って見積り、提供方法は個別契約で提供する。

政府は2018年6月に地域における安全対策強化の指針をまとめた「登下校防犯プラン」を閣議決定し、「不審者情報等の共有及び迅速な対応」「子どもの危険回避に関する対策の促進」が取りまとめられ、自治体、学校、家庭などが連携して登下校の安全確保対策に取り組むこととされている。

また、2019年5月には登下校時の子どもの安全確保に関する関係閣僚会議が開催され、登下校時の子どもの安全確保について議論が行われており、このような背景のもとNTT西日本グループは2018年12月から2019年3月末まで、児童みまもり情報配信のトライアルを実施。

トライアルに参加した自治体、学校、保護者の方から児童の安心・安全に対する有用性について高い評価を得て、商用提供のめどがついたため、新ソリューションの提供を開始することとした。

新ソリューションは、児童が携行するみまもり端末による位置情報および特定ポイント・エリアでの検知情報と、自治体・学校からの情報配信を保護者がLINE・メールを通じて取得するほか、自治体、学校と連携し、地域の危険カ所情報やハザードマップなどを児童の位置と重ねて表示し、不審者情報、災害情報といった防犯・防災に関わる情報配信を同一システム上で提供する。

  • ソリューションのシステム概要

    ソリューションのシステム概要

主な特徴として、屋外の位置情報はGPSで取得し、学校、通学バスなどGPSが届きにくい屋内の出入情報はBLEビーコンにより取得することで、高い精度の位置情報取得を実現したことに加え、通信方式の工夫により、みまもり端末の省電力化を実現しており、最大約1カ月充電なしで継続利用を可能としている。

また、自治体・学校側から有事の際の児童の最新位置情報の確認や一定期間の位置情報ログデータの確認などが可能で、緊急時の対応や児童が良く利用する道、危険個所への立ち寄りを把握することで地域の安全対策などに活用できるという。

さらに、LINEを利用していれば新たに専用のアプリケーションをダウンロードすることなく、直感的な操作かつタイムリーな情報提供を可能としている。

  • ソリューションの特徴

    ソリューションの特徴

NTT西日本グループにおける各社の役割として、NTT西日本はIoTやAIにかかわる最新技術・ノウハウの提供による新ソリューションの企画、ソリューションの販売取次、NTTスマートコネクトはソリューションの提供を担う。

今後、NTT西日本グループは児童の安全に関わる課題解決の手段として新ソリューションを展開、機能拡張し、データ利活用による提供価値の高度化を目指す考えだ。