モバイルライフに必要な要素を完璧なレベルで搭載
モバイルPCの購入を考えるとき、Dynabook社のdynabook Gシリーズは、スペック、軽さ、タフネス、ロングバッテリーといった点で、選択肢から外せないモデルです。今回は、2020年1月に発売されたdynabook Gシリーズ最新のハイエンドモデル「dynabook G8」をレビューします。
まずは基本的なスペックから。CPUは第10世代のIntel Core i7-10710U(1.10~4.70GHz、6コア/12スレッド)、メモリはDDR4-2666 8GB、ストレージはPCIe 512GB SSD、液晶は13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)、本体サイズは約W308.8×D211.6×H17.9mm、重さは約859g、バッテリー駆動時間は約18.5時間(JEITA 2.0)です。無線LANは最新のIEEE802.11 ax規格(Wi-Fi 6)に準拠しています。
カラバリとして今回紹介するオニキスブルーのほか、パールホワイトもラインナップ。パールホワイトは重さが約879gになるだけで、それ以外のスペックはオニキスブルーと同じです。店頭予想価格は税別200,000円前後。ちなみに、スペックは落ちますが、dynabook G5だと重さが約779gまで軽くなるので、とにかく軽いほうがいいという人には有力な候補になるでしょう。
カタログスペックだけでも、モバイルライフに必須の要素を十分に備えていることがわかります。
全体を包むマグネシウム合金のボディは、前述のとおりオニキスブルーに染め上げられています。具体的には、濃い紺色といった感じのカラーです。パッと見は黒っぽいのですが、よく見ると深い味わいの青だとわかってくるので、ビジネスシーンになじみつつ、ちょっとしたオシャレ感を出せます。モバイルノートPCは人目に付くことも多いですから、こうした魅せるデザインは重要ですよね。
天板は細かいヘアライン加工がなされており、オニキスブルーと相まって持っているだけで満足感を得られる美しさ。本体はアメリカ国防総省制定「MIL規格(MIL-STD-810G)」に準拠した10項目の耐久テストをクリアしており、頑丈さも備えています。
参考までに耐久テストの内容は、26方向からの76cm落下テスト、細かい粉塵を吹き付ける(6時間)、30~60℃の環境下で24時間×7サイクル稼働、-20度の環境下での稼働、前後・左右・上下各軸1時間の振動テストなど。普通に使っていたらまずないような過酷な状況のテストであり、安心して持ち歩けるでしょう。
底面はゴム足以外はフラットな形状です。手前側左右に搭載されたスピーカーと、ヒンジ側に空けられた排熱孔があるのみです。カバンにも収まりやすいでしょう。
外観だけでなく、液晶ディスプレイも高品質。シャープ製のIGZO液晶を採用しており、高輝度・高色純度・広視野角の画面です。映り込みの少ないノングレアタイプなので、屋内でも屋外でも見やすく感じました。
有線LAN端子も装備、充実のインタフェース類
モバイルノートということで、ビジネスシーンでまだまだニーズの高い有線LAN端子(Gigabit Ethernet)を備えています。近年はオフィスに無線LAN(Wi-Fi)を整備している企業も増えたものの、なんだかんだで有線LANが必要という場面もあるでしょう。また、一概には言えませんが、有線LANは無線LANよりも安定した通信が得られます。
本体の左側面には、ヒンジ側から電源端子、 USB Power Delivery対応のUSB 3.1 Type-C Gen1(5Gbps、5V/2A)端子×1、HDMI出力端子、マイク/ヘッドホン共用端子、microSDカードスロットが並びます。
右側面は、ヒンジ側からセキュリティロックホール、ギガビットLAN端子、USB 3.0(Type-A)×2です。
注目はUSB Power Delivery(USB PD)対応のUSB 3.1端子でしょう。この端子を使って、USB PD出力をサポートしたモバイルバッテリーからdynabook G8を充電できます。モバイルバッテリーなら、コンセントは必要ないので場所も選びません。
なお、モバイルバッテリーからの充電対応は公式にはうたわれていませんが、今回試した限りではうまく充電できました。使ったモバイルバッテリーはレノボの「Power Bank 14000mAh」で、USB PD出力として最大45Wを供給できる仕様です。深くは検証できませんでしたが、USB PD出力が最大30W以下のモバイルバッテリーだと、dynabook G8を充電するには出力が足りないかもしれません。
ちなみに筆者は、ノートPC以外にスマホ2台とKindle Voyage(なぜスマホが2台なのかと時代遅れのVoyageなのかは語り尽くせません)、PlayStation Vitaを持ち歩くのが常。こうしたデバイスの予備電源を、1台のモバイルバッテリーでまかなえるのは非常に助かります。
現代はスマートフォンやタブレットを持ち歩くのが普通ですし、モバイルバッテリーも常に携帯している人は多いでしょう。USB PD対応と最大出力に注意する必要はありますが、これからモバイルノートPCを買うならUSB PD対応のモデルが絶対におすすめです。
軽いタッチで打ちやすいキーボード
キーボードは、メイン部分は19mmピッチを確保した日本語87キーです。ストロークは1.5mmと、最近のモバイルノートPCとしては標準的。軽いクリック感があり、軽快なタイピング感でした。右側のEnterキー周辺には狭いピッチのキーもありますが、このへんはモバイルノートPCにはよく見られるものであり、個人的にはすぐに慣れる部分です。
キートップには0.2mmのへこみが付けられていて、指先にフィットするようになっています。これも気の利いたポイントです。
モバイルノートでは最高クラスのサウンド
前述のとおり、液晶ディスプレイは高輝度・高色純度・広視野角のIGZO液晶。美しい静止画・動画を楽しめましたが、驚いたのはサウンドです。このサイズのノートだとどうしても音が軽くなってしまうものですが、底面手前の左右に配置したオンキヨー製のステレオスピーカーは、小型化しつつできる限りのサイズを確保しており、特に人の声の音量と音質が向上しています。
加えて、DynabookとDTSが共同で開発したサウンドシステム「dynabook Sound Engine by DTS」によって、音響も上々。このシステムは「音楽」「ビデオ」「ゲーム」、設定を自由に変えられる「オーディオカスタム」という4つのモードが選べて、コンテンツに合わせた音響へとすぐに切り替えられます。
実際に映画を何本も観てみましたが、高品質なディスプレイとサウンドのおかげで、エンターテインメントにも十分に活躍してくれるマシンでした。