2020年2月24日、KingstonのゲーミングブランドHyperXから新型のワイヤレスゲーミングヘッドセット「Cloud Flight S」が発売される。ゲーミングヘッドセットとしては世界初という、ワイヤレス充電のQiに対応。これによりケーブル不要で充電が可能になり、ワイヤレスヘッドセット最大のネックと言える、充電の手間をグッと減らせるのが大きな魅力。ここでは、その使い勝手について紹介していく。
パソコンとプレステ4に対応し、接続には付属のUSBレシーバーを取り付ける。無線は2.4GHz帯を使用し、最大20mまで通信が可能としている。バッテリー駆動は最大30時間と、1日中ゲームしてもバッテリ切れが起こる心配はない。なお、アナログ接続には対応していない。
気になるQi対応の充電部分は左側面に内蔵されており、Qi対応の充電器に乗せるだけで充電がスタートする。15Wでの急速充電に対応しているのもポイントだ。ただし、充電器は付属していないので別途用意する必要がある。平置きでの充電を想定しているため、スタンド型のQi充電器では充電しにくい点も覚えておきたい。なお、Kingstonでは2つのデバイスを同時充電できる15W出力のQi充電器「ChargePlay Base HyperX」(実売価格8,000円前後)を発売しているので、合わせて購入を検討するのもいいだろう。また、USBケーブルによる有線での充電にも対応している。
ヘッドホンのドライバーにはダイナミック50mm径を採用。装着するとガッチリとしたホールド感だが、低反発の柔らかなイヤーパッドによってキツさはまったく感じない。長時間使っても耳が痛くなるようなことはないだろう。また、遮音性が高いため、ゲームに集中しやすいのもポイントだ。その分、暑いときは若干蒸れやすそうではある。
複数のゲームや音楽で音を聞いてみたが、高音と低音を重視している印象だ。特に、ゲームにおいて重要な足音や銃声の聞き分けをしやすくするため、高音を強調するのはゲーミングヘッドセットではよく見られる傾向だ。低音に関しては、遮音性の高さもあってかなりの迫力を感じる。
マイクはノイズキャンセル仕様。取り外しが可能なのでマイクを使わないときには一切ジャマにならない。また、左側面にある4つのボタンで、マイクのオン/オフやゲームの音とチャット音声のボリュームのバランス調整、Sidetone(自分の声がヘッドセットから聞こえる)の有効、無効を行える。マイクを無効(ミュート)にするとマイク先端部が赤く光るので、状態を認識しやすいのも便利だ。
バーチャル7.1ch対応する。左側面の「7.1」と書かれたボタンを押すことで、オン/オフを切り替えられる。バーチャル7.1chはMicrosoft Storeで公開されているコントロールアプリの「HyperX NGENUITY」を使うと、さらに活用できる(原稿執筆時点のバージョンはJanuary 2020 Bate 2 Release)。このアプリを使えば、バーチャル7.1chが有効なのか無効の状態なのか視覚的にわかり、切り替えができる。さらに、「Auto-Optimeize」という機能を搭載。これはApex Legends、PUBG、フォートナイト、レインボーシックス シージなど7種類のゲームごとに用意された最適なサラウンド設定を、そのゲームが起動されると自動的に適用するというもの。実際使ってみると、かなり音が鳴っている方向がわかりやすくなると感じた。
ちなみに、フォートナイトでは「3Dヘッドホン」、PUBGでは「HRTF」などゲーム自体に独自のサラウンド機能が用意されている場合もあるが、Kingstonによるとそれらサラウンド機能と「Auto-Optimeize」はどちらも有効にして使ってほしいとのことだ。ただし、バーチャル7.1chはあくまでも擬似的なサラウンド。聞こえ方に関しては個人差が大きいだけに、実際にゲームをプレイして音を聞きながら、使うかどうかは判断するほうがいいだろう。
Qiによる置くだけ充電に対応し、最大30時間の十分なバッテリー駆動時間を確保、それで重量はマイク込みで320gとワイヤレスのゲーミングヘッドセットとしては軽い部類、さらにイヤーパッドは90度回転が可能で、使わないときは首にかけやすいと使い勝手はとてもいい。ワイヤレスがいいけど充電が面倒と考えている人にぜひともオススメしたい製品だ。