冬といえば、感染症が怖い季節。ノロ、ロタ、RSにインフルエンザ……そこに新型コロナウイルス発生のニュースも飛び込んできました。ウイルス・雑菌の感染を防ぐためには、手洗いやうがいが効果的とされていますが、スマートフォンを忘れずに。外出先では手すりやつり革に触れるもの、同じ手で触れるスマートフォンも除菌・消毒の対象にすべきでしょう。

一般的な除菌・消毒にはアルコールが効果的とされています。広く利用されているのは工業用の「エタノール」、薬局でも数百円程度で販売されていますから、これをスマートフォンに塗ればよさそうですが、実際にはそう単純ではありません。

というのも、濃度の高いエタノールは殺菌する前に蒸発してしまうからです。エタノール/無水エタノールとして販売されている製品の濃度は95%以上で、汚れを落とすことはできても消毒効果は期待できません。薄めれば飲用にできるため酒税適用対象で割高なことも、お勧めできない理由です。

消毒用に利用されるのは、エタノールの濃度を下げた「消毒用エタノール」です。除菌効果がもっとも高いとされる80%前後に薄められており、これを薄い布などに吹き付けてスマートフォンを吹けば消毒効果が期待できます。医薬品に分類されるものは割高ですから、製造基準が比較的穏やかなため安価なキッチン用・清掃用がお勧めです。

なお、ガラスコーティングされたディスプレイ表面以外の部分、たとえば樹脂製・ゴム製のパーツや端子部分にエタノールが付着すると、塗装が剥がれたり劣化したりなどのトラブルを引き起こす可能性があります。スプレーなどで直接スマートフォンに吹き付けず、クリーニングクロスなどに染み込ませたものでディスプレイを拭く程度にしておきましょう。

  • スマホを消毒するにはどうすれば?

    スマートフォンを消毒するには(写真はイメージです)