それほど欲しくないのについ買ってしまうほど、最近はSSDがとにかく安い。SSDを勿体なくも余らせてしまっているのなら、パソコンではなくゲーム機でこれを活用するのはいかがだろうか。今はちょうど2020年1月5日までPS4(プレイステーション4)が1万円引き! の格安で買えるキャンペーンも行われている。ついでに一年の疲れが最高潮の年の瀬に余計な手間もかけたくない。そこで今回は、余ったSSDを使ってPS4をより快適に遊べる、しかも簡単手間いらずな方法を試してみたい。
内蔵ドライブ交換は怖いので外付けSSDで
PS4の高速化で定番なのは、内蔵のHDD(ハードディスクドライブ)をより高速なSSD(ソリッドステートドライブ)に交換する方法だろう。ただ、難点はデータ移行などの手順がやや手間なのと、それほど難易度は高くないものの、やはり物理的にハードウェアを交換する作業はハードルが高いことだ。
その点で外付けSSDを使う方法はかなり安心お手軽。PS4のシステムソフトウェアが最新版に更新してあれば(バージョンとしては4.50以降)、ゲームのインストール先として外付けSSD(などの外付けストレージ)を選べる「拡張ストレージ」機能が有効になっているはずだ。今回はこの機能を使う。
この「拡張ストレージ」機能を使う方法の場合、内蔵HDDの換装と異なり、ゲームデータの読込の高速化はできるが、PS4の起動時間などシステムに係る高速化はできない。ただ、外付けSSDをPS4のUSB端子に挿して、そこにゲームデータを移動するだけという簡単さは魅力だろう。移動させたデータをPS4本体に戻すこともできるので、本当に気軽に試すことが出来る。
それでは早速、手順や効果などを紹介したいが、試すにあたって今回用意した機材は以下の通り。
- プレイステーション4本体(型番:CUH-2200B)
- 1TB容量のM.2 NVMe SSD(Seagate製「FireCuda 510 SSD」)
- USB対応の外付けSSDケース(ASUS製「ROG STRIX ARION」)
SeagateのFireCuda 510 SSDはかなりハイスペックなSSDで、カタログではPCIe3.0 x4接続、リード最大3,540MB/秒、ライト最大3,200MB/秒と、今回の用途では実力を使い切れないようなオーバースペックのものだ。Seagateの誇る高信頼性も特長のひとつだし、試したSSDのスペックが低すぎて効果が出なかったというオチは避けたいので、これを使ってみることにした。
いいSSDを使うので、せっかくなら外付けSSDもいいものを、ということで用意したのがASUSのROG STRIX ARIONだ。最大の特長は「見栄えがゲーミングッ! もちろん光る!」につきる……というのもあるが、ASUSのゲーミングブランド「ROG」の製品なので、インタフェースなど、速度のボトルネックになりそうな部分が高速仕様なため、良い結果に期待できるからだ。
一応数値的には、SSDのFireCuda 510は3,000MB/秒以上のデータ転送速度が出るが、それとPS4を繋げるROG STRIX ARIONのインタフェースはUSB 3.2 Gen2で、規格上の転送速度は最高10Gb/秒(MB換算は1250MB/秒)。そしてPS4のUSBインタフェースはUSB 3.2 Gen1と言われており、これは最高5Gb/秒(MB換算は625MB/秒)なので、最終的にはPS4側の625MB/秒が速度の天井となるだろう。ついでに言うと、PS4 Proの内蔵ストレージ・インタフェースは最高600MB/秒のSATA 3.0だが、無印PS4は最高300MB/秒のSATA 2.0と見られるため、最大速度では実は外付けの方が有利だったりもする。
■各インタフェースの規格上の転送速度まとめ | |
外付けSSDケース (ROG STRIX ARION) USB 3.2 Gen2 |
最高1250MB/秒 |
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現行PS4のUSBポート USB 3.2 Gen1(推定) |
最高625MB/秒 |
無印PS4の内蔵HDD接続 SATA 2.0(推定) |
最高300MB/秒 |
PS4 Proの内蔵HDD接続 SATA 3.0(推定) |
最高600MB/秒 |