全体に色鮮やかに、写真は精細にプリントできる

では、実際に製本したものを見てみましょう。紙は、表紙用には「キヤノン写真用紙・微粒面光沢 ラスター」を、本文用には「キヤノン普通紙・ホワイト 両面厚口」を使用しました。

左が家庭用インクジェットプリンターで印刷した同人誌、右が印刷所に発注したオフセット印刷の同人誌です。好みは分かれると思いますが、自宅のプリンターで印刷したほうが色が鮮やかに出ていることが分かります。

  • インクジェットプリンターでの印刷(左)とオフセット印刷(右)との比較。好みもありますが、インクジェットも文句なしの仕上がりです

  • 色の鮮やかさはインクジェットプリンター(左)のほうが優れていると感じます

  • 特に、写真の精細感やクオリティはオフセット印刷よりも優れています

同人誌印刷の場合、表紙の色校正で印刷所とやり取りする機会が少なく、思ったようなような仕上がりにならないこともあります。自宅のプリンターで印刷する場合は、好みの色合いになるまで何度もやり直しができる点が魅力です。

和紙やトレペなど味のある紙も使える

印刷所では扱っていないような紙を使うなど、好みの装丁にできるのも、おうちで作る同人誌の魅力です。今回は、透かし模様の入った和紙を“遊び紙”として表紙と中表紙の間に挟んでみました。和紙以外にも、トレーシングペーパーを入れたり、長めの紙を折り込んでピンナップにするなど、個性を出した装丁が楽しめます。

  • 表面に凹凸のある和紙にもプリントできます。ホチキス留めの目安が自動でプリントされているのも分かります

  • 表紙と中表紙の間にかわいい和紙を入れてみました

写真中心の本だけでなく、文章主体の本も作ってみました。文章主体の本は見た目が地味になりがちなので、本文用にクラフト用紙を使い、ハンドメイド感を出してみました。クラフト用紙でも色が薄めのものを選んだので、文字の可読性も悪くありません。

  • 文章メインの本でも、紙質を変えるだけで雰囲気がぐっと良くなります

  • 文字色とのマッチングも上々。内容に応じて紙選びできるのも、おうち同人誌づくりの魅力です

おうち同人誌づくりの際に注意したいのが、インクヘッドの調整やクリーニング。これらを済ませておかないと、インクジェットプリンター特有の筋が入ってしまうことがあります。本番の印刷の前に試し刷りをしてしっかり確認しておきましょう。

  • ヘッドの調整が完璧でないと、インクジェットプリンター特有の筋がうっすら見えてしまうことも