12月14日、渋谷の「価格.com GG Shibuya Mobile esports cafe&bar」にて「WESG 2019-2020 Japan Division」オフライン国内予選決勝戦が行われました。

  • WESG 2019-2020 Japan Divisionの会場となった価格.com GG Shibuya Mobile esports cafe&bar

アリババ関連会社が行う世界規模のeスポーツ大会

WESG(World Electronic Sports Games)は中国のアリババの子会社、アリスポーツが開催する大会で今回が4回目となります。前回の大会は世界125カ国から6.8万人の選手が参加し賞金総額は550万ドル、視聴者数は4億人と大規模なものです。

  • WESGの概要。アリババ関連会社が主催ということで中国中心とは言え、世界中から強豪が集います

  • 今年の競技タイトルは画面の4つ。ただし、右側のStarCraft2とDota2は日本では全試合オンライン対戦でした

当日は日本代表を決める戦いが行われ、「Counter-Strike:Global Offensive」(以下CS:GO)と「eFootball ウイニングイレブン 2020」(以下ウイイレ。画面がeFootball PES 2020となっているのは海外ではeFootball Pro Evolution Soccer 2020というタイトルのため)のタイトルのみオフライン決勝となっています。ウイイレは日本でもなじみのあるサッカーゲームで、現実のチームと選手データを元にリアルなスタジアムでの対戦が楽しめるゲームです。2020年版はさらに現実のサッカーに近い駆け引きが楽しめるようになりました。

地区予選と言えど賞金が用意されており、CS:GOは優勝チームに$20,000、準優勝チームは$4,000の賞金、ウイイレは優勝者に$10,000、準優勝で$2,000となっています。また、CS:GOの優勝チームとウイイレの準優勝・優勝者は1月にマレーシアで行われるアジア予選への出場権も得られます(本戦に出るには長い道のりがあるのです)。

今年2月に行われた「WESG 2018-2019 Japan Division」は渋谷のヨシモト∞ホールで行われましたが、「WESG 2019-2020 Japan Division」は渋谷パルコ内にできたばかりのeSportsカフェを会場にしており、立ち見も出るほどでした。

  • 日本予選でも勝てばかなりの賞金が得られ、特にウイイレは一人で優勝$10,000なので大きいですね

ウイイレは10月の国体に参加したプロ選手がアジア予選へ

まず行われたのがウイイレで、こちらは準決勝から行われました。ここまで勝ち上がった選手はかつぴーや選手、ボルトムント選手、カーリー選手、レバ選手。かつぴーや選手とレバ選手は今年10月に行われた全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKIの県代表にも選出されたプロ選手です。

かつぴーや選手は「勝って代表になりたい」、ボルトムント選手は「楽しみたいと思います」、カーリー選手は「まず、準決勝を勝ちたい」、レバ選手は「前回は決勝に負けているので、今回は優勝したい」とコメントしていました。

  • ウイイレの選手。右からかつぴーや選手、ボルトムント選手、カーリー選手、レバ選手。左右の二人はチームユニフォームを着ているプロ選手

  • ウイイレのキャスター陣。左が実況の馬人氏、右が解説の梅津 慧氏(コナミデジタルエンタテインメント)

まずかつぴーや選手とボルトムント選手が予選第一試合を行いました。ウイイレは現実のプロサッカー13チームで対戦することができますが、競技となると強いチームを選ぶことが重要になります。キャスターの解説によると「今回のルールは能力均等化を行わない、チーム本来の能力で戦うため、タレント面でユヴェントスが一番でスーパーサブの層も厚い」ということで、両者ともユヴェントスを希望。

一方、ルールで同一チームの対戦は行えず、ジャンケンで買った方がコイントスの「表・裏」を選択した上で決定。この結果、ボルトムント選手がユヴェントスを選択でき、かつぴーや選手はFCバルセロナとなりました。

試合は前半5分にロナウドがフリーから先制点をあげ、11分にスアレスが同点、42分にロナウドが2点目を取ったところで前半終了。後半は56分にメッシが同点、68分にグリズマンが3点目を取り、結果3-2でFCバルセロナを選択したかすぴーや選手が勝ちました。

予選第二試合はカーリー選手とレバ選手で行われ、カーリー選手がユヴェントス、レバ選手がFCバルセロナを選択。試合は1分ロナウドが先制点をあげ、7分にグリズマンが同点。13分にスアレスが2点目をあげ35分にクワドラードが同点としたものの、46分にフリーキックでディバラが3点目をあげ前半終了。後半は開始早々の47分にグリズマンが同点にした後、終了間際の85分にスアレスが4点目をあげ、結果4-3でFCバルセロナを選択したレバ選手が勝ちました。試合後に「かつぴーやさんには前回負けているので勝ってアジア予選にすすみたい」とコメント。

  • 勝つためには強豪チームを使うのが鉄則。と言う事で全員ユヴェントスを希望するものの今回のルールでは同チーム対戦不可なので、コイントスで負けた選手はFCバルセロナを選択

  • とはいえ、システムや配置などの監督要素があるので、同じチームでも戦略、戦術、そして操作で勝敗を決めます。今回5ゲームのうち3ゲームがFCバルセロナの勝利でした

と言う事でアジア予選に進めるのはプロ選手の二人となりました。決勝は2勝すれば決まる試合形式になります。コイントスで勝ったレバ選手がユヴェントスを選択し、二戦目はチームを入れ替え、三戦目になるとコイントスを行っての対戦となります。どちらもアジア予選にはいけますが、予選での組み合わせで有利なのは優勝者ですし、賞金も5倍違うので熱が入ります。

第一試合は17分にディバラがややラッキーな先制点をあげたものの25分にグリズマンが同点。その直後の26分にロナウドが2点目をあげて前半終了。後半は49分にベルナルデスキが3点目をあげユヴェントスがリード。58分にグリズマンが2点目を入れて逆襲を行うと思いきや、70分にベルナルデスキ、74分にフリーキックでディバラ、90分にベルナルデスキとベルナルデスキがハットトリックを決めて、ユヴェントスのレバ選手が勝利。

第二試合は2分、11分、25分とロナウドが前半ハットトリック。39分にメッシが一点返して前半終了。後半は56分にメッシが2点目をあげるものの、71分にロナウドがダメ押しの4点目を入れ、ロナウド大活躍の4-2でユヴェントスのかつぴーや選手が勝利。

最終戦でコイントスで勝利したかつぴーや選手がユヴェントスを選択したのに対し、レバ選手が悩みつつFCバルセロナを選択しました。試合はレバ選手がロナウドをうまく抑え込みつつ、6分、19分にグリズマンが連続得点。さらに26分にピケ、33分にスアレスが得点し、これに対して40分にロナウドが1点を入れたところで前半終了。後半は47分にスアレス、67分にグリズマンが得点して6点と差を広げ、終了間際の93分にマンジュキッチが2点目を入れたものの及ばず6-2でFCバルセロナのレバ選手が優勝となりました。

キャスターもコメントしていましたが、最後の一戦以外はワンサイドゲームにならず、かなり熱い試合となっていました。

  • 優勝はレバ選手、準優勝はかつぴーや選手となりました。ちなみにレバ選手が所属するDetonatioN Gamingはスポンサーをものすごく獲得しており、このユニフォームにはまだ記載されていないスポンサーが少なくても3社あります(来年新ユニフォームになると言われたとの事)

  • 会場はほぼ満席です。テーブル席は通常営業でも使うようでゲームに便利なコンセント付でした