12月14日の土曜日朝10時、JR川崎駅に直結する大型ショッピングモール「ラゾーナ川崎プラザ」に新しいアップルストア「Apple 川崎」がオープンします。どのようなコンセプトで店づくりをしたのか、Apple 川崎ならではの魅力はどこにあるのか、アップルストアを統括する米Appleのディアドラ・オブライエン上級副社長にインタビューした内容を交えつつ、チェックしていきたいと思います。
天井は高くないが、アップルストアらしさはそのまま
高い天井や巨大なガラスウォール(ガラス製の外壁)を備えるApple 表参道やApple 福岡などの店舗とは異なり、Apple 川崎は大型ショッピングモール内に入居している店舗、という大きな違いがあります。でも、扉の中に足を踏み入れると、いつものアップルストアと同じ雰囲気に包まれました。オブライエン氏も「世界各国のアップルストアと同じインテリアデザインに仕上げました」と語ります。
特にオブライエン氏がアピールしたのが、新しいアップルストアの特徴となっている「フォーラム」の存在。木で作られたキューブ型の腰掛けや革張りの腰掛けをいくつも用意し、目の前にある大きなビデオウォールでToday at Appleのセッションを楽しめるようにしています。セッションが開かれていないときは、来店客がスタッフと相談する際などに使うほか、自由に休憩することも可能。人が集うスペースを店舗の中心に用意する、というお店作りはApple 川崎にもしっかり受け継がれていました。
プログラミング講座を呼び水に家族をいざなう
都心部にあるApple 銀座やApple 表参道などの店舗に対し、Apple 川崎はベッドタウンに近く、週末に家族連れで訪れるショッピングモール内に立地している、という点が異なります。オブライエン氏も「ターゲットとする来店客は都心部の旗艦店とは異なる」と言います。
Apple 川崎がメインターゲットとしているのは、ズバリ子どもを持つファミリー層。子どもや祖父母も一緒に、家族全員で来店したくなる店作りにした、とオブライエン氏は語ります。
家族での来店を誘う呼び水としているのが、ストア内で毎日開催している「Today at Apple」のさまざまな無料セッションです。ほかのアップルストアでも、写真の撮り方や音楽の作り方、絵の描き方、プログラミングなどのセッションを実施していますが、Apple 川崎ではオープン直後の12月に特別なプログラムとして、コーディングが学べるプログラミング関連のセッションを大いに充実させたと胸を張ります。
内容も、iPad用の無料アプリ「Swift Playgrounds」を用いたAR(拡張現実)のプログラミング講座「[AR]Tラボ:拡張現実を体験しよう」や、3~5歳の未就学児を対象としたコーディングの初歩講座「『Helpsters~お助けモンスターズ』と学ぶコードの基礎」など、内容や対象の年齢層も幅広く用意しています。
2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されることが決定し、政治の世界でも「学校に1人1台のパソコンやタブレットを導入しよう」という声が上がっています。これを受け、子どもを持つ親もプログラミングへの関心が高まっているのは間違いなく、「今からプログラミングに慣れさせておきたい」と考える家庭も増えています。そのような親にとって、専門知識を持つスタッフがプログラミングのイロハを無料で楽しく教えてくれるToday at Appleのセッションは魅力的な存在となりそうです。
オブライエン氏は「コンピューターサイエンス教育週間に合わせ、コーディングは250以上のセッションを用意し、とても多くの方に無料でコーディングの基礎を学んでいただけるようにしました。ぜひ、ご家族でいらしていただければと思います」と期待を寄せました。
ちなみに、Apple 川崎のロゴは、さまざまな形状のカラフルなパーツが「かわさき」の文字を作っています。これは積み木をイメージしており、店名をひらがな表記にしたのも子どもに親しみを持ってもらう狙いがあるとのこと。ここでも、ターゲットとする客層を如実に表しているといえるでしょう。