レトロヘッドホンと、往年のソニー製ラジカセも買っちゃった

ウォークマン「A100」シリーズと「ZX500」シリーズに搭載されている標準プレーヤー「W.ミュージック」アプリには、画面上にカセットテープが回っているかのようなビジュアルを表示するユニークな機能「カセットテープスクリーンセーバー」が備わっている。音楽を再生中に一定時間操作をしないでいると、カセットテープUIが現れてハブとともにテープが回る。早送りや巻き戻しも、それに準じた回転となる。

【動画】ウォークマン40周年モデルの“カセット画面”

よく見ると左右のテープ量のバランスがいつまでも変わらなかったり、ハブの回転が若干デジタル表示っぽいなと感じたりするが、ぱっと見はかなりリアルな表示で驚いてしまう。従来のウォークマンAシリーズより画面が高精細になったことも功を奏しているのだろう。

A100シリーズをベースにしたウォークマン40周年モデルにも、もちろんこの機能は備わっており、実に“遊びゴコロ溢れるやり方”で楽しめる仕掛けが用意されている。TPS-L2デザインのソフトケースには、A100TPS本体のディスプレイを覆うカバーの一部に透明パーツがあり、ここからカセットテープスクリーンセーバーの一部が見える。

  • NW-A100TPS

    2019年モデルのウォークマンが備えるユニークな機能「カセットテープスクリーンセーバー」を表示。組み合わせたヘッドホンは米KOSSの「PORTAPRO」限定ベージュカラー

つまり、最新のハイレゾウォークマンを、あたかも初代カセットウォークマンのようなビジュアルで楽しめるというわけだ。1988年生まれの筆者にとって、1979年に誕生した初代ウォークマンは遠い彼方の“伝説の存在”。TPS-L2風カバーを付けたA100TPSはいわばそのミニチュアモデルだが、手に取るとえもいわれぬ興奮を覚えてしまう。デザインがもう理屈抜きでクールなのだ。興奮しないわけがない。

さて、ウォークマン40周年モデルを手にしたら、やりたいことがいくつかある。記事冒頭にしれっと掲げた、「音楽を聴きながら瞑想するサルのオマージュ」はそのひとつ。おふざけのように見えるかもしれないが、日々多忙な編集部のメンバーにご協力を願っての撮影は、真剣そのものだった(ちなみに筆者は2016年に東京・銀座の旧ソニービルで開催された「It’s a Sony展」で、音楽に聞き入るサルのCM映像を初めてきちんと見た)。

もちろん、コレと組み合わせるレトロなヘッドホンといえばアレしかない!ということで、米KOSSの5,000台限定オシャレヘッドホン「PORTAPRO PREMIUM RHYTHM BEIGE Japan Edition」(2016年発売)と、オレンジ色のイヤーパッドをあらかじめ入手。秋葉原のオノデンでこのヘッドホンを新品で税込2,980円で買えたのは幸いだった。10月中旬では在庫が多数置かれていたようだ(ちなみにオレンジのイヤーパッドはe☆イヤホンで買えた)。

  • NW-A100TPS

    ウォークマン2号機「WM-2」。イヤーパッドの色合いがオシャレ

40周年モデルのカセットスクリーンセーバーを、初代カセットウォークマンの実機と並べて撮ることも考えたのだが、これはハードルが高くて諦めた。ヤフオクやメルカリで探していただければ分かるとおり、TPS-L2はとっくの昔にプレミア価格(完動品で約5万円など)がついていて、おいそれと手を出せる状態ではない。

なんとか理性を保ちつつ探していくと、1982年発売のFM/AMラジオカセット「WA-11」がTPS-L2と色合いもデザインも近しいものを感じたので、完動品を入手して、ウォークマン40周年モデルと並べて撮ってみた。当時の資料によると、WA-11はウォークマンではなくラジカセのカテゴリーに入っており、“ゼロハン11”という呼称で親しまれていたようだ。

  • NW-A100TPS

    ソニーのFM/AMラジオカセット「WA-11」(左)とウォークマン40周年モデル(右)を並べたところ。まるで親子だ

  • NW-A100TPS

    ウォークマン40周年モデルがほぼカセットサイズなので、がんばればWA-11のカセット部に収まりそうだ(がんばりません)

WA-11の裏面には、音域の狭い「鳴っているだけ」の音しか聞けないが、モノラルスピーカーを搭載している。側面のイヤホン端子はモノラル出力。時代を感じる。30年以上も前のラジカセが完動品というのは珍しい気がするが、どうだろうか。

【動画】ウォークマン40周年モデルとソニー製ラジカセの“共演”

最新のデジタル技術で回るカセットスクリーンセーバーと、ホンモノの回るカセットテープが“共演”するさまはなんというか、とてもエモーショナルな光景でシビれる。ああカセット沼が俺を呼んでいる、もうダメかもしれない。カセットはいいぞ、最高だ(?)。

【動画】ウォークマン40周年モデルとソニー製ラジカセの“共演”(その2)