Armは10月23日、中国・北京で開催した「Arm Tech Symposia Beijing」において、メインストリームのモバイル機器やコンシューマ機器などに向けた最新プロセッサIPとして、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)「Arm Ethos-N57/N37」、GPU「Arm Mali-G57」、ディスプレイプロセッサユニット(DPU)「Arm Mali-D37」を発表した。
Ethos-N57/N37は、コストとバッテリー寿命を最重視する方針で設計されたNPUで、Int8/Int16データ型のサポート向けに最適化が図られているほか、データ転送と関連する消費電力を最小限に抑える高度なデータ管理技術を採用。また、Winograd実装などにより、ほかのNPUに比べパフォーマンスを最大200%以上向上させることが可能だとしている。
さらにN57はMLパフォーマンスと電力効率のバランスを実現する設計とすることで、2TOP/sのMLパフォーマンス範囲に最適化が図られ、一方のN37は1mm2未満の実装面積でML推論プロセッサを実現することが可能ながら1TOP/sのMLパフォーマンス範囲に最適化された設計がなされているという。
Mail-G57は4K/8KやAR/VRなどの没入感が求められるインテリジェントでプレミアムなユーザー体験を提供することを目的に開発されたGPUで、さまざまなコンテンツにおけるグラフィックス性能を、同一面積当たりで前世代のMali-G52比で1.3倍向上させたほか、電力当たりのグラフィックス性能も1.3倍向上させることが可能。また、VR用途でフォーヴィエイテッドレンダリング(Forveated Rendering)をサポートし、ML(機械学習)用演算性能を60%向上させることで、より複雑なxRワークロードに対応することを可能としている。
そしてMail-D37はフルHD/2K解像度サポートにおいて、16nmプロセスで1mm2未満の面積で実装することが可能なディスプレイに必要とされる機能と性能のバランスを高いレベルで両立させたDPUとなっており、従来GPUで実行しているディスプレイ用タスクとその際のメモリマネジメントを代替することでシステム全体の消費電力を最大30%削減することが可能だという。