エミライは、米Noble Audioの完全ワイヤレスイヤホン「FALCON」の発売日を10月25日に決定した。取扱店舗で10月18日16時から予約受付を開始し、ビックカメラやヨドバシカメラ、e☆イヤホン、フジヤエービックではFALCONの先行展示を行う。価格はオープンで、店頭価格は税別16,800円前後。製品発表会が行われ、発売に先がけてFALCONの実機の音を聴くことができた。
既報の通り、米国のイヤホン専業メーカー・Noble Audio(ノーブルオーディオ)の初となる完全ワイヤレスイヤホン。クラウドファンディングのMakuakeで日本発売に向けた支援を募ったところ(現在は募集終了)、目標金額の50万円を大幅に超える約1,424万円が集まったという。
クアルコムのチップ「QCC3020」を採用し、Bluetooth 5.0対応で、コーデックはAACとaptXをサポートする。音が途切れないよう独自のアンテナ設計技術を組み合わせて接続品質を向上させたほか、左右イヤホンにそれぞれデータを伝送する「TrueWireless Stereo Plus(TWS+)」にも対応した。
音質にこだわり、6mm径のダイナミック型ドライバー「Dual-layered Carbon Driver(D.L.C.Driver)」を搭載。さらに、Noble Audioのカスタムインイヤーモニター(IEM)などの設計ノウハウを生かし、Noble Audioの創業者であるジョン・モールトン博士が音質をチューニングした。
IPX7防水対応で、イヤホン単体の連続再生時間は最長10時間。付属の充電ケースと組み合わせて、最長40時間聴ける。また、紛失安心補償サービス(税別8,000円)を用意するなど、国内販売に向けたサポート体制を整えた。
音を聴いてみる
実際にFALCONと、手持ちのスマートフォン(Xperia XZ1 Compact)を組み合わせて音を聴くことができた。イヤホン本体ではコーデックを確認できないが、Xperiaでは接続時に「aptX対応Bluetooth機器に接続しました」とメッセージが出るので、今どのコーデックで音を聴いているかすぐ分かる。
Spotifyでダウンロードしたエド・シーラン「How Would You Feel(Paean)」を聴いてみると、ボーカルやギター、ピアノの音がくっきりしており、音の広がり感はほどよく、完全ワイヤレスとは思えないくらい自然で聞きやすいサウンドが印象的だった。
特に低域の沈み込みがしっかりしており、腰が据わっていて安定感がある。それでいて、ダフト・パンク「Get Lucky」やClean Bandit「Baby (feat. Marina & Luis Fonsi)」のようなダンスミュージックを聞いても、低音がズンズンと強調されて下品に響くことはない。とにかくきっちり鳴らしていく印象だ。
筆者が使っているTaoTronicsの完全ワイヤレスイヤホン「SoundLiberty 77」(実売7,000円前後)のスッキリした音も好きだが、FALCONを一度聴いたあとは、しばらく色々なジャンルの曲を流して「こっちはFALCONが好き、あれはSoundLiberty 77のほうがいい」などと聞き比べに没頭してしまった。
安いモデルでも1万円台後半、ハイエンドでは約27万円もする製品を取り揃えるNoble Audioは、オーディオマニアには言わずと知れた有名ブランド。そこが完全ワイヤレスイヤホンを出すと聞いたときは「いったいどんな音がするのだろう?」と思っていたが、実際に聴ワイヤレスでも想像以上に気持ちのいい本格派サウンドが楽しめ、「これは欲しくなる音だ……」と物欲をかき立てられた。
FALCONで唯一気になる点と言えば、音の話ではないのだが、ハウジングに刻印されているNoble AudioロゴのLEDが約7秒おきに白く点滅することだろうか。クールなロゴではあるが、後述するスマホアプリ(年内提供予定)から消灯させられるようになれば嬉しいのだが……。