NTTドコモが、2019年冬~2020年春に発売するスマートフォン新製品を発表した。発表会場で触れた新機種7モデルのインプレッションを、「ハイエンド」「ミッドレンジ」「キッズケータイ、らくらくホン」の3つに分けて、筆者の主観たっぷりにお届けしよう。今回はハイエンドに位置する「Xperia 5 SO-01M」「AQUOS zero2 SH-01M」「Galaxy Note10+ SC-01M」の3機種だ。いずれも10万円前後の高性能モデルとなる。

ドコモの新ハイエンドはゲーム用途を強く意識

2019-20年冬春モデルのハイエンド端末は、ソニー、シャープ、サムスンからそれぞれ1機種ずつ、計3機種投入された。いずれもQualcommのSnapdragon 855を採用するなど、処理能力的には同等クラス。今回、ドコモではハイエンドスマホのターゲットとしてゲーマーを視野に入れたようで、発表会での展示ではゲーム機能に特化した機能が強調されていた。そこで今回は、ゲーム端末としての評価も交えてインプレッションを送りたい。

  • Xperia 5 SO-01M(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)。ドコモオンラインショップの端末価格は税別79,920円。スマホおかえしプログラムの対象端末で、同プログラム適用時の実質負担額は58,608円(2,442円×24回、税込)

夏秋モデルとして登場した「Xperia 1」の小型版という位置付けが、この「Xperia 5」だ。小型版といっても、Xperia 1から幅が4mm、高さが9mm縮まっただけなので、それほど小さいわけではないのだが、これだけでも手に持った時の感覚としては、フィット感が高まったと感じられる。

  • 手に持った感じとしては、幅が狭まったこともあって「片手で使える」感が増している

Xperia 1の6.5インチより少し小さな6.1インチの21:9のHDR対応シネマワイドディスプレイ(有機EL)を採用しているが、解像度はXperia 1が4K(3,840×1,644)であるのに対し、Xperia 5ではフルHD+(2,520×1,080ドット)と、だいぶ抑えられた。

SoCはオクタコアのSnapdragon 855、メモリ6GBといった基本スペックは同等で、背面のトリプルカメラも画角や解像度は同じだが、Xperia 5では960fpsのスーパースローモーション撮影ができなくなっている。OSはAndroid 9がインストールされているが、Android 10へのアップグレードも予定されている。

「ゲームエンハンサー」が進化したXperia 5

ゲーム端末として見た場合、Xperia 1にも搭載されていた「ゲームエンハンサー」の機能が特徴的だ。

ゲームエンハンサーでは、処理能力を落としてバッテリーを優先にする「ゲームモード」(筆者としては「省電力モード」か「ロングプレイモード」などの呼称が適切では、と思うのだが)、プレイ中の邪魔にならないよう、通知の非表示や、画面の縁をタップする「サイドセンス」などの端末動作を設定できる「フォーカス設定」、2画面表示を生かし、プレイ中に攻略情報などを表示できる「サーチ」、プレイ中の画像を撮影したり、動画を保存できる「スクリーンショット」「レコード」の各機能が利用できる。

Xperia 1と比べると、スクリーンショットが連写可能になるなどの機能追加も行われている。個人的には「フォーカス設定」はなかなか便利だと思うが、正直いうと、ゲームプレイの補助に特化する印象のある「エンハンサー」というほどなのかな……という感じはある(あくまで個人の感想)。

  • ゲームエンハンサーの画面キャプチャー機能は秒間20枚まで撮影できるので、手動でやるより決定的瞬間をゲットしやすい

  • ブース内に展示されていた、PS4のDUALSHOCKコントローラーにXperiaを装着するための純正アタッチメントが格好良く、新型の携帯ゲーム機のよう。なぜか見た瞬間、任天堂バーチャルボーイを思い出してしまった……

とはいえ、処理能力的には最高クラスで、美しいHDRディスプレイとドルビーアトモス対応のサウンド、さらに解像度がXperia 1よりも下がることでパフォーマンスに余裕が出ているため、ゲーム端末としてはかなりレベルが高い。

一方でXperia 1でも指摘されていたが、21:9の超ワイド画面はゲームに関しては良し悪しだ。ゲームによっては16:9に合わせて画面が設計されているため、デモムービーなどで左右に黒い帯が表示されたり、逆に横に合わせることで上下が切れてしまう場合がある。

また、ワイド画面を生かしてマルチウィンドウでゲーム画面と攻略サイトなどを同時表示させたいところだが、「ポケモンGO」など縦持ちのタイトルを除くと、非対応なゲームも多い。この点が気にならなければ、魅力的な一台と言えるだろう。