スウェーデン王立科学アカデミーは10月9日、2019年のノーベル化学賞を、「リチウムイオン電池の開発」に貢献したThe University of Texas at AustinのJohn B.Goodenough(ジョン・グッドイナフ)教授、Binghamton UniversityのM, Stanley Whittingham(スタンリー・ウィッティンガム)教授、旭化成名誉フェローのAkira Yoshino(吉野彰)氏に授与すると発表した。

  • ノーベル化学賞

    左からジョン・グッドイナフ教授、スタンリー・ウィッティンガム教授、吉野彰氏の似顔絵 (C)Niklas Elmedhed/Nobel Media

リチウムイオン電池の実用化により、石油エネルギーからの脱却が可能になったことなどをスウェーデン王立科学アカデミーは評価した結果だという。現在ではスマートフォンやノートパソコン、自動車、家庭用蓄電池とあらゆる電子機器や産業分野に活用されているリチウムイオン電池は、1991年にソニーの郡山事業所で世界で初めて量産化されたもので、2017年からは村田製作所がソニーより当該事業を引き継ぎ、継続して同事業所にて生産を行っている。

なお、吉野氏は、ノーベル賞の発表会に電話会議で参加しており、「好奇心こそが研究の推進役だ」とコメントしている。今年の授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、3人に賞金として合計900万スウェーデンクローナ(約1億円)が贈られる。