ソニーは、同社のオーディオ技術の粋を集めた「Signature Series」の新製品として、ニアフィールド向けのパワードスピーカーシステム「SA-Z1」をIFA 2019で発表した。2020年春に欧州で発売予定で、価格はペアで7,000ユーロ(約82.5万円)。国内での発売時期や価格は未定。
机の上などのパーソナルスペース向けに作られたパワードスピーカーシステムで、広大なサウンドステージの表現や、高い解像度での音楽再生を追求。アンプとデジタル回路を内蔵しており、ハイレゾ音源はDSDが最高22.4MHzまで、PCMは768kHz/32bitまで再生できる。主にパソコンやウォークマン、Signature Seriesのオーディオプレーヤーなどとの組み合わせを想定している。
SA-Z1の音響設計コンセプトは「理想的な点音源」。3基のツイーターを組み合わせた「I-ARRAYシステム」と、2基のウーファーを同軸配置し、FPGAプロセッサ上のソニー独自のアルゴリズムによって各ドライバーユニットの音波の時間調整を行うことで、この概念を実現する。
スピーカー前面のI-ARRAYシステムは、中央にメインツイーター、その上下にアシストツイーターを組み合わせ、その奥にドーム型メインウーファーを配置。
ウーファーは新規開発のもので、ユニット背後の空気制御を行うことでクリアなサウンドとタイトなレスポンスを実現するという。
奥のメインウーファーと背中合わせに水平対向で配置したアシストウーファーで互いの振動を相殺して不要振動を抑えつつ、サイドダクトを介して同心円状に低音を拡げる仕組みも採用。このユニークなウーファーの対向配置の形を、ソニーでは日本の打楽器である鼓になぞらえて「Tsuzumi」と名付けている。
SA-Z1のアンプ部は、Signature Seriesのヘッドフォンアンプ「TA-ZH1ES」に採用している「D.A. Hybrid Amplifier」を進化させたもので、新たにGaN(窒化ガリウム)パワー半導体を採用したものを使っている。
SA-Z1のサウンドをチューニングできる、4つのダイヤルを搭載。ユーザーの好みに合わせた音で聴ける。ウォークマンやXperiaで採用している、圧縮音源を高品位にアップコンバートして再生するDSEE HXも装備している。
入力端子は、デジタル入力としてウォークマン接続用のUSB-Bや光デジタル、microUSBを搭載。アナログ入力にはバランスXLR、RCA、ステレオミニを備える。左右のスピーカー間はOFCケーブルで接続する。
スピーカー部のエンクロージャー(本体)は6枚のアルミニウム板でできており、「日本の伝統的な建築方法に触発された特別な方法で結合されている」という。