IFA 2019に出展するソニーが、ヘッドホン・イヤホンのフラグシップ「1000X」シリーズに加わるニューフェイスとして、ネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホン「WI-1000XM2」を発表。IFAの会場では、WI-1000XM2の商品設計に関わったソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツの大橋篤人氏に詳細を聞くこともできました。

“最強ノイキャン”の1000Xシリーズにネックバンドイヤホン登場

  • WI-1000XM2
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    1000Xシリーズのネックバンドイヤホン「WI-1000XM2」。カラバリはブラックとプラチナシルバー系

2018年秋に発売されたオーバーヘッドスタイルの「WH-1000XM3」、2019年夏から注目を浴びる完全ワイヤレスイヤホンの「WF-1000XM3」に続く「1000Xシリーズ・3兄弟」として、ネックバンドスタイルの「WI-1000MX2」が登場です。ほかのモデルが「Mark3」なのに対して、ネックバンドイヤホンの1000Xシリーズは第2世代になるため、真面目に間を飛ばさず「Mark2」と名付けました。でも、搭載するソニーの最先端テクノロジーやデザインのテイストは、ほかのM3世代と共通しています。

欧州モデルとして発表された販売価格は330ユーロ(約38,000円)。欧州での発売予定時期は2020年1月以降。日本国内に導入される時期については、IFAの時点では明らかになっていません。参考までに、現行モデルのWI-1000Xはソニーの直販サイトで34,880円(税別)で販売されています。

  • WI-1000XM2

    素材とサイズが異なるイヤーピースを多数同梱しています

WI-1000XM2のカラーはブラック系と、WF-1000XM3のプラチナシルバーと同系統の2色で展開されるようです。デザインはWI-1000Xよりも見た目にかなりスリムで軽やかな印象になりました。筆者は耳の穴が小さいので、現行モデルはイヤーピースをぐっと押し込まないとイヤホンが外れてくることがあったのですが、最新のWI-1000XM2はイヤホン部分が小ぶりになって、耳に装着したときの安定感が向上しています。イヤホンのハウジングとイヤーピースを装着したノズルの角度も、心地よいフィット感が得られるように調整されています。

ネックバンドは柔らかいシリコン素材としているので、イヤホンを肩に長時間乗せて音楽を聴くときの負担がかなり軽減されそうです。イヤホンの背中にはマグネットがあり、イヤホン同士をくっつけたペンダントスタイルで肩にかけ、身につけることができます。また、ネックバンドをくるっとまとめて、付属するキャリングケースにコンパクトに収納できるようになりました。

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    柔軟に曲がるシリコン製のネックバンドとして装着感を高めています

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    本体をコンパクトに折りたたんで専用ケースに収納できます

  • WI-1000XM2

    ハウジング背中のマグネットを吸着させてペンダントのように身に着けられます

Bluetooth接続・ノイズキャンセリング有効のとき、内蔵バッテリーの連続音楽再生時間は最大約10時間をキープしながら、WI-1000XM2は本体の重さがWI-1000Xより12gほど軽くなっています。クイック充電は10分で約80分の連続再生が可能です。充電にはUSB Type-Cのケーブルを使います。

ドライバーユニットの構成は、WI-1000Xと同じハイブリッド。大橋氏によると、現行のWI-1000Xと同じシングルBAと9mmダイナミックのハイレゾ対応ドライバーを搭載しているそうです。Bluetoothオーディオのコーデックは、AAC、SBC、LDACをサポート。WI-1000Xが対応していたクアルコムのaptXとaptX HDは、WI-1000XM2では非対応となりました。

  • ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツの大橋篤人氏

    WI-1000XM2の商品設計を担当した大橋篤人氏にIFAの会場でインタビューしました

本体に3.5mmイヤホンケーブルを装着すると、有線接続のハイレゾイヤホンとして楽しめます。ハイレゾではない音源をスマホから再生した場合も、ハイレゾ相当の高音質にエンハンスするDSEE HXに対応。専用アプリ「Sony Headphones Connect」から、機能のオン・オフが選択できます。

  • WI-1000XM2
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    付属するケーブルをつなぐと有線リスニングも可能。microUSB端子から3.5mm端子にコネクタが変更されています

マイクとリモコンはネックバンドの位置から移動して、より口もとに近いケーブルのインラインに配置されています。通話の音声をクリアに拾えるほか、対応する音声アシスタントのGoogleアシスタントやAmazon Alexaを使うとき、ボイスコントロールが正確に行えるようになっているそうです。

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    マイク付の3ボタンリモコンを搭載

高精度なノイズキャンセリングを実現するために、外音を取り込むマイクをハウジングの内側と外側に1基ずつ設けた「デュアルノイズセンサーテクノロジー」は、WI-1000Xから変わっていません。ただし、WH-1000XM3が備えるソニー独自の高性能ノイズキャンセリングプロセッサー、「QN1」を搭載しました。大橋氏によると、WH-1000XM3と同等性能のチップが採用されたといいます。

WI-1000XM2では、使用前にアプリを使ってユーザーの耳にノイズキャンセリング効果を最適化して使うと、パワフルな消音効果が得られます。最新の1000Xシリーズと同様に、オーディオ再生のバランスと合わせ込んだ、音楽再生のクオリティを損なわないノイキャン品質が特徴です。

ノイキャン効果は日本発売が決まった後でゆっくり試してみたいところですが、IFA会場に展示されていたデモ機で確認したところ、ノイズ感が少ない自然な消音効果が得られてとても好感触でした。QN1チップには独自開発のDACやアンプ、32bitでのデジタル処理回路が搭載されているので、なめらかで雑味のないサウンドが味わえます。外音取り込みは最新の1000Xシリーズと同じく、アプリから取り込みレベルを20段階で選択できます。

スリムになるとともに、大幅改善を実現した装着感も大いに魅力的です。サウンドやノイズキャンセリングの効果は日本でじっくりと試せる機会を楽しみにしたいと思います。積極的にアウトドアに持ち出して楽しみたいイヤホンですが、本体が防滴・防水対応ではないことがやや気がかりです。日本発売の正式アナウンスを心待ちにしましょう。