Mozillaは9月3日(米国時間)、「A New Policy for Mozilla Location Service|Mozilla Services」において、特許問題を回避するために位置情報サービス「Mozilla Location Service (MLS)」のポリシーを変更すると発表した。新しいポリシーでは、次のような制限が発生するが、特に商用利用に関して制限が設けられることになる。

  • 非商用ユーザー(学生、公益、研究者、オープンソース・プロジェクトなど)は1日最大100,000回使用できるMLS APIクエリキーを取得できる。リクエストすれば上限値を引き上げることが可能
  • 商用ユーザー1日最大100,000回使用できるMLS APIクエリキーを取得できる。リクエストの上限を引き上げることはできず、さらに3カ月間という使用期限が設けられる
  • 既存のキーは2020年3月1日に期限が切れる。既存のユーザーは期限が切れる前に新たなキーを申請することが推奨される
  • A New Policy for Mozilla Location Service|Mozilla Services

    A New Policy for Mozilla Location Service|Mozilla Services

ポリシー変更はMozillaが提供してきた位置サービスMLSに関して、Skyhook Holdingsが同社の複数の特許を侵害していると連絡してきたことが契機と説明している。Mozillaは訴訟を回避するためにSkyhook Holdingsと合意に達しており、その結果として、今回のポリシー変更に至ったとしている。合意内容は機密情報であるとして明らかにされていない。

Mozillaは長年にわたって特許はイノベーションを促進するよりも、イノベーションを阻害する方向に働く傾向があるという立場を取っている。特にオープンソース・ソフトウェアに関しては、特許システムは目的どおりに機能していないと指摘している。Mozilla自身はMozilla Open Software特許ライセンス契約に基づき、Mozillaの取得している特許は無料ライセンスで提供している。