発色は十分鮮やかで、表示品位は申し分なし

ディスプレイ表面は非光沢処理(ノングレア)となっており、外光の映り込みはほぼ気にならないレベル。文字入力が中心の作業であれば、不快な印象は皆無だ。

表示解像度はフルHDで、表示される文字サイズに不満はない。近年は、13型クラスのディスプレイでもフルHD超の表示解像度を備えるものが存在するが、文字の視認性を考えると、14型クラスでもフルHDがちょうどいいと感じる。

表示品位に関しては、光沢液晶に比べるとやや鮮やかさやコントラスト比に劣る印象なのはしかたない。光沢液晶を搭載するThinkPad X1 Yoga 2019年モデルと並べて比較してみると、ThinkVision M14のほうがやや色合いがおとなしめで、コントラスト比もわずかに低いようだ。

とはいえ、単体で見ると、かなり高品質な表示なのも確か。今回は実際に比較できなかったが、ThinkPad X1 Carbon 2019年モデルの非光沢フルHD液晶とほぼ同等の表示性能とのことで、デジカメ写真のレタッチや映像編集などの作業も、不満なく行えるだろう。

  • ThinkVision M14

    ThinkPad X1 Yoga 2019年モデルのような光沢液晶に比べると、ややおとなしめの発色。コントラスト比も低いと感じるが、表示そのものは十分に優秀。文字入力から映像処理まで幅広い用途に使えそうだ

ThinkPad X1ユーザーでなくとも魅力的なモバイルディスプレイ

今回、ThinkVision M14を使ってみて、現在販売されているモバイルディスプレイの中でもトップクラスの魅力を備えている製品と感じた。スタンドの存在や2系統のUSB Type-Cによる優れた利便性は、競合製品にはない大きな特徴で、それだけでも選択する大きな理由となるはずだ。合わせて、ディスプレイ自体の品位も申し分ない。

ThinkVision M14自体は、ThinkPad X1シリーズに最適化されているため、ThinkPad X1シリーズとの併用時に実力が最大限発揮されるだろう。しかし、そのほかのノートPCとの組み合わせでも、問題なく利用できるのは間違いない。ノートPCとの組み合わせで使うモバイルディスプレイとして、非常に完成度が高く、広くおすすめしたい。