7月30日に開幕した第26回全国高等学校写真選手権(写真甲子園2019)が、8月2日にフィナーレを迎えました。今大会は、初戦審査に500校が応募。全国11ブロックの審査会を勝ち上がった本戦大会進出校16校に、選抜枠の2校を加えた計18校54名(1チーム3名)の選手が写真の町として知られる北海道東川町に集結。北の大地を舞台に4日間、珠玉の1枚を求めて東奔西走しました。

今回、見事優勝に輝いたのは、和歌山県立神島高等学校。写真甲子園史上初の3連覇を達成しました。

  • 見事にV3を達成した和歌山県立神島高校のメンバー。左から恵納崇先生、伏見凛音さん、岡﨑ひなたさん、宮﨑美奈さん。副賞として、キヤノンのフルサイズミラーレス「EOS RP」が授与された

最終日の8月2日に行われた「ファイナル審査会」では、2~4日目の3日間に撮影したすべての写真から、「北海道のいい人、いいところ」をテーマに8枚の組写真をセレクト。一般来場者にも開放された東川町農業改善センターで、各校が作品のプレゼンを行いました。

  • 泣いても笑っても、これが最後のプレゼンとなる「ファイナル審査会」。18校の選手たちは、4日間でどれだけの成長を見せたのか

ファイナル審査会が終わると、いよいよ表彰式&閉会式です。立木義浩審査委員長はじめ、写真家の長倉洋海さん、鶴巻育子さん、公文健太郎さん、フォトキュレーターの小高美穂さん、北海道新聞社写真部次長・野勢英樹さんの計6名の審査委員による厳正な審査が行われたのち、受賞校が発表されました。

表彰式を前に、松岡市郎東川町長が「写真甲子園のすばらしさを全国の仲間、後輩にぜひとも伝えていただきたい。そして来年、また新しい選手、監督の皆さんとお会いできることを楽しみにしています」と選手たちにコメント。

  • 松岡市郎東川町長

  • キヤノンマーケティングジャパンの坂田正弘社長

写真甲子園に特別協賛しているキヤノンマーケティングジャパンの坂田正弘社長からは、「写真甲子園は本日で終了しますが、みなさんの写真制作活動が終わるわけではありません。写真生活は、大人になっても一生楽しめるものです。ぜひ明日から、また素晴らしい写真をたくさん撮り続けてください。これからもキヤノンは、皆さんと一緒に写真文化を盛り上げていきたいと考えています。この素晴らしいイベントが全国から注目され、今後ますます盛り上がることを祈っています」とエールが贈られました。

今大会より、キヤノンマーケティングジャパンが写真甲子園で「レンズクリーニングサービス」を実施したことも合わせて報告されました。腕利きのサービスマンによるクリーニングサービスで、今年のラグビーW杯日本大会や来年の東京オリンピックで行われるサービスと同等の内容とのこと。カメラを手に大自然を駆け回った選手たちにも好評でした。

表彰式では、各賞を受賞したチームが壇上に上がり、賞状と副賞、メダルが授与されました。優勝した神島高校の3名は、今の気持ちを誰に伝えたいかとの問いに「顧問の先生に伝えたいです」とコメントし、会場の笑いを誘いました。そして「(優勝できて)安心しました。今はホッとしています。和歌山でもたくさん練習して、たくさんの人に支えられ優勝できました。本当にうれしいです」と涙をにじませていました。

  • 優勝した神島チームのメンバーは、表彰式で安堵の涙を見せた

審査員を務めた写真家による総評

続いて、今大会の審査にあたった審査員の写真家5名による総評がありました。

長倉洋海さん「写真はいろいろな魅力に満ちています。皆さんはこれから写真という道に向かって、自分なりのペースで楽しく有意義に、時には燃え尽きるように進んでいただければと思います」

鶴巻育子さん「今回はテーマが難しかった。審査もかなり迷って、苦しい審査でした。その中でも3連覇の神島高校は、やはり凄いと思いました。大会なので順位をつけなければならないが、写真は自己表現。見る人によって異なるので、“写真は自由”ということを覚えて帰っていただければ」

公文健太郎さん「今回、皆さんの写真を見て、どうしてシャッターを押すだけなのに、こんなに個性が出るのか不思議でした。それは、ふだんから写真と一緒に生活しているからだと思います。ただ、写真で何かを表現するというのは大変な作業。それが実感できた4日間じゃなかったかと思います」

小高美穂さん「ブロック審査会から本戦まで、写真漬けの日々だったと思います。皆さんとは一言二言ぐらいしか交わしていないのに、とても深いつきあいができた気がします。それは、会話をするよりも写真が饒舌に語ってくれたから。これからの長い人生、いろいろな瞬間に立ち会うでしょう。そんなとき、写真で素敵なおすそ分けをしてください」

立木義浩さん「写真を学ぶことであなたたちが世界を変えるのではなく、あなたたちが世界に変えられないように学んでいくのが写真の本筋だと思います。これから末永く写真と付き合ってくれるとうれしいです。お疲れさまでした」

  • 写真家の長倉洋海さん

  • 写真家の鶴巻育子さん

  • 写真家の公文健太郎さん

  • フォトキュレーターの小高美穂さん

  • 審査委員長を務めた写真家の立木義浩氏

表彰式&閉会式が終わると、今年の写真甲子園2019もいよいよ全日程が終了。打ち上げの「選手交流会」では、全チームがノーサイドとなって、北海道の食材を使った地元の手料理に舌鼓を打ちました。参加した審査委員の写真家たちと交流する姿や、親睦を深め合ったライバルとTシャツにメッセージを書き合う姿などが見られました。

  • 全日程終了後は、チームすべてノーサイドで選手交流会。審査員と交流する姿も

  • 選手たちに配布された写真甲子園Tシャツに選手同士がメッセージを書き残すシーンもあちこちで見られた

今回の受賞チームは以下のとおりです。

受賞校
優勝 和歌山県立神島高等学校(和歌山県)
準優勝 沖縄県立浦添工業高等学校(沖縄県)
東川町長賞 北海道岩見沢高等養護学校(北海道)
美瑛町長賞 出雲北陵高等学校(島根県)
上富良野町長賞 新島学園高等学校(群馬県)
東神楽町長賞 帝塚山学院高等学校(大阪府)
旭川市長賞 栃木県立足利工業高等学校(栃木県)

(現地取材/水澤 敬)