NECと航空連合のスターアライアンスは7月29日、生体認証を活用した本人確認プラットフォーム「Star Biometrics Hub(スターバイオメトリクスハブ)」の開発において協業すると発表した。

同プラットフォームにはNECの顔認証技術を活用しており、スターアライアンスはプラットフォームをベースに、アライアンス加盟社のフライトを利用する旅客のシームレスな搭乗手続きを実現し、体験価値を向上するサービスを、2020年3月までに提供開始する予定だという。

スターアライアンスは、世界初の航空会社グローバルアライアンスとして1997年に設立された航空連合。各社はフライト間のスムーズな接続、コードシェア便、マイレージやラウンジの相互利用など各種サービスを提供し、利用者の利便性向上を図っている。

プラットフォームは、スターアライアンス加盟社のフライト利用旅客は事前に各社のモバイルアプリで顔画像とパスポート情報を登録し、モバイルアプリや空港のキオスク端末でチェックインを行うと、手荷物預け、ラウンジ、搭乗ゲートなどで、従来は実施していたパスポートと搭乗券の提示が不要となり、顔認証による本人確認で通過できるようになるという。

これにより、各手続きにおける旅客の待ち時間を短縮しスムーズな搭乗を実現するほか、空港および航空会社職員の業務効率化にも貢献するとしている。なお、空港によっては保安検査や出国審査でパスポートの提示を求められる場合もある。

同プラットフォームは、生体情報の使用に同意し登録した旅客が利用できるものとなり、旅客の顔画像や個人情報は暗号化し、プラットフォーム内に安全に保存される。また、各国の情報保護の法令や規則に沿って設計されており、旅客の同意なしに個人情報を使用することはないという。

今後、両社はプラットフォームを空港だけでなくホテルや商業施設、またレンタカーなどのさまざまなサービスでも利用できるように展開し、生体情報を共通IDとしたシームレスな旅行体験の実現を目指す考えだ。