世の中には数多くの2in1 PCがリリースされていますが、その中でペンを内蔵できるモデルは「ThinkPad X1 Yoga」や「Yoga C930」などごく一部。個人的にはペンを内蔵できない2in1 PCやタブレットPCは、ペンをなくしてしまいそうで不安でなりません。というわけで7月10日に発表された富士通クライアントコンピューティングの2in1 PC「LIFEBOOK UH95/D2」(以下UH95)は、ペンを内蔵できるという点ですでに好印象です!

  • 富士通クライアントコンピューティング「LIFEBOOK UH95/D2」。発売日は7月18日。価格はオープンで、店頭予想価格は税別230,000円弱です

世界最軽量のペン内蔵2in1ノートPC!

UH95は、ペンを内蔵できる2in1ノートPCとして世界最軽量ボディを実現したニューモデル。クラムシェル型の従来モデル「LIFEBOOK UH-X」が13.3型ノートで世界最軽量の約698gだったところ、UH95は約868gと170g重量が増えていますが、「ペンを内蔵」と3回唱えれば、このグラム差が「誤差範囲」に思えるのだから人間って不思議です。

まあ冗談はさておき、一般的な2in1 PCはタブレットモードで使っているとかなり重いなーと感じていましたが、UH95ならまったく問題なく長時間ホールドできますよ。

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    UH95は実測856.5g(個体差により実際の実測重量は増減します)

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    UH95ならタブレット端末として使っていても、重すぎることはありません

「世界最軽量」というと堅牢性に不安を感じますが、UH95は「Light&Tough」(軽くてタフ)がうたわれており、ねじれに強い造形と側面に厚みを持たせる構造によって、軽さと強度を両立させたとのこと。実際、ディスプレイ全開でパームレスト部を握って上下に乱暴に振っても、多少きしみ音は発生するものの、筐体が歪んでしまうような不安感はありません。

ちなみにUH95では、従来のクラムシェルモデルと共通する耐落下・耐加圧・耐振動試験に加えて、2in1専用試験としてヒンジ評価(360度開閉試験、360度捻り開閉試験、高速開閉試験)、ペン評価(ペン抜き差し試験)、タブレット時のキーボード評価試験(キーボード面転倒試験、10cm繰り返し片持ち落下試験、摩擦試験)などが実施されているとのことです。

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    全体の重量がパームレストの端っこに集中するような意地悪な持ち方をしても、筐体が破損してしまうような不安感はありません

2in1 PCでは異例の充実インタフェース

UH95はCPUにIntel Core i7-8565Uを採用し、メモリは8GB、ストレージは512GB PCIe接続SSDが搭載されています。

イマドキの2in1 PCやノートPCは、スマートなデザインのためか、コスト削減のためかインタフェースが簡素化されていますが、UH95はUSB 3.1 Type-C×2、USB 3.1 Type-A×2、HDMI、有線LAN、フルサイズSDメモリーカードスロット、ヘッドセット端子と異例に、異常に、異様に充実しています。

ノートPCにUSBハブを装着するのってやはり面倒ですし、あと見た目もチョッチュネーと正直思っております。あとプロとかクリエイター向けをうたっているのに、フルサイズのSDメモリーカードスロットを廃している製品はナンダカネーとも(自分の用途だと使いにくいので……。あ、個人の感想です)。

世界最軽量を狙う2in1 PCにおいて、インタフェースを削るという手段をあえて選ばなかった富士通の物作りの姿勢はユーザーフレンドリーな印象です。

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    本体天面

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    本体底面。ネジの数が多いですね。高剛性を確保するための仕様かもしれません

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    上が本体前面、下が本体背面

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    上が本体右側面、下が本体左側面。右側面にはタッチペン、電源ボタン、フルサイズSDメモリーカードスロット、USB 3.1 Type-A×1、有線LAN、セキュリティーロックスロット、左側面にはUSB 3.1 Type-C×2、HDMI、USB 3.1 Type-A×1、ヘッドセット端子が用意されています

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    ディスプレイ面。ディスプレイは13.3型フルHD液晶(1,920×1,080ドット)。ディスプレイ上部にはWebカメラと、Windows Hello対応顔認証センサーが内蔵されています

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    キーボード面。文字キーがすべて等幅に揃えられ、標準的な配列のキーボードです。個人的には上下カーソルキーが縦に圧縮されていない点が好印象です

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    キーピッチは実測19mm前後。巨漢故、手の長さ20cmの筆者でも窮屈に感じません。打鍵感は良好ですが、打鍵音は静音タイプに比べるとやや大きめ。特にEnterキーとSpaceキーは底打ちすると「ペンペン」と響きます

Windows Inkが起動するボタン

世界最軽量を達成しつつ、本体にタッチペンも内蔵するなど使い勝手に配慮したUH95ですが、ほかにもユニークな機能が搭載されています。

まずひとつ目は「Windows Inkワークスペース起動ボタン」。キーボード奥のこのボタンをワンプッシュすると、Windows Inkワークスペースが起動して、付属ペンで付箋、スケッチパッド、切り取り&スケッチなどの各種機能を利用可能です(ペンプロトコルはAES 1.5)。

Windows Inkワークスペースの起動は、タッチペンの抜き差しに連動してもいいかなとも考えましたが、自分のタイミングで起動したい方には専用ボタンのほうが重宝しますね。なお「Windows Inkワークスペース起動ボタン」はカスタマイズ可能で、ほかの機能も割り当てられます。

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    タッチペンの抜き差しにはWindows Inkワークスペースの起動は連動しません。連動できる設定があると個人的には嬉しいのですが……

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    「Windows Inkワークスペース起動ボタン」は小さめ。またボタンは飛び出していないので誤操作の心配はなさそうです

さて肝心のタッチペンの使い勝手ですが、適度な摩擦感があって書き味はアナログの筆記用具に近いです。鉛筆で言うと「B」ぐらいの柔らかさだと思います。

ただ収納式のタッチペンということで、ペン軸がかなり細めなので、強い筆圧だと微妙なしなりが気になるかもしれません。またそもそも細いペン軸が苦手な方もいるかもしれませんね。長時間タッチペンを使うのなら、互換性のあるワコム製タッチペン(AES)を別途用意したほうが快適でしょう。

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    ペンの書き味は鉛筆のような、アナログちっくな感覚です

キーボード上部にアウトカメラを搭載

ふたつ目の独自機能がキーボード面に設置されたカメラ。タブレット端末なら前面カメラと背面カメラが用意されている製品がほとんどですが、2in1 PCでキーボード面にカメラが搭載されているのは珍しいですね。

富士通によればキーボード面のカメラは、ホワイトボードの内容を記録、共有するために用意したとのこと。スマホカメラで共有してもよいですが、UH95単体で撮影、編集、共有したほうがスマートですし、セキュリティ的にも安心です。

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    キーボード面のカメラ(500万画素)はちょうど富士通のロゴ下に配置。カメラインジケーターも用意されています

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    13.3型の大画面ディスプレイでしっかりと被写体を狙えます

  • 富士通「LIFEBOOK UH95/D2」

    キーボード面のカメラの記録解像度は1,920×1,080ドット。画質は正直それなりです。とは言え記録用には十分でしょう

2in1 PCをタブレットで使ってこなかった人に触ってほしい

個人的マイナスポイントはバッテリー容量が23,616mWhと少なめなこと(powercfg /batteryreportコマンドで計測)。バッテリ駆動時間はカタログスペックで約10時間がうたわれていますが、実際の駆動時間が気になるところです。とはいえUSB Power Deliveryによる充電(45W)に対応しているので、単独でのバッテリ駆動時間が短い弱点は、対応モバイルバッテリでカバーできそうです。

この「LIFEBOOK UH95/D2」は2in1 PCで約868gという軽量性が大きなアドバンテージ。これまでの2in1 PCを、重いからと結局タブレットモードでは使ってこなかった方にこそ、試していただきたい一台です。

LIFEBOOK UH95/D2の主な仕様

  • OS:Windows 10 Home 64bit
  • CPU:Intel Core i7-8565U(1.80GHz)
  • メモリ:8GB(交換不可)
  • ストレージ:512GB PCIe SSD
  • グラフィックス:Intel UHD Graphics 620(CPU内蔵)
  • ディスプレイ:13.3型ワイド(1,920×1,080ドット)
  • 光学ドライブ:―
  • 通信機能:IEEE802.11a / b / g / n / ac準拠の無線LAN、ギガビット準拠の有線LAN、Bluetooth 5.0
  • バッテリ駆動時間:約10時間(JEITA 2.0)
  • インタフェース:USB 3.1 Gen2 Type-C×1(USB PD、DisplayPort Alt Mode対応)、USB 3.1 Gen1 Type-C×1(PD対応)、USB 3.1 Gen1 Type-A×2、HDMI、SDカードスロット、イヤホンジャックなど
  • 本体サイズ:W309×D214.8×H16.9mm
  • 重さ:約868g
  • 店頭予想価格:税別230,000円弱