1日の終わりはGRの自虐プレイで悶絶!?

一方、コンティニュアスAFと測距点自動選択(オートエリアAF)を組み合わせて使うことができないところは残念至極。AFは、暗所対応を中心にもっと進化してもバチは当たらんだろう。その反面、1m、1.5m、2m、2.5m、5m、無限遠それぞれに任意にピントを固定して撮影できるという、昨今のコンデジでは容易に得難い使い方が当たり前のようにできるのはGR IIIの大きな魅力だ。必要に応じ行使できる「AFからの脱却」が想像以上にフットワークを向上させることがあるのは事実。やっぱりGR、よく分かっている。

そんななか、電源OFF時に現れる「本日の撮影枚数」表示が気になって仕方がない。「あなたは今日○枚撮りました」「たったの○枚しか撮っていないのですか?」「もっとちゃんといっぱい撮らんかいゴルァ~!」などなど、いろんな捉え方のできるシャレの効いた(?)ユニーク表示だと思うのだけど、私にはどうしても「今日はこれだけしか撮っていないのに、もうこんなにバッテリーが減っちゃってまぁ~す(STAP細胞的発音)」ってな感じの自虐機能にしか見えないんだなぁ(笑)。

  • 個人的には、イメージコントロールのエフェクト系とはまったく無縁の写真生活だ。モノクロも意識的に避けている。容易に「イイ感じの写真」が撮れちゃうと、そこで終わっちゃうような気がするからだ。モノクロで撮れたそのイイ感じ、カラーでも同じように出せます? もしモノクロで撮るなら、そのように自問自答しながら、おっかなびっくり実行することになるだろう(ISO100、1/1000秒、F3.2、-0.7補正)

  • GR IIIの画質はこの1枚ですべて語れるような気がする。強調や誇張に頼ることのないナチュラルでバランスの良い解像描写を見てとることができるだろう。この小さなボディで、レンズでここまでの仕上がりが得られるとは! これぞGRの真骨頂(ISO200、1/500秒、F2.8、-1補正)

ジッサイのハナシ、燃費の悪さはUSB充電ができるようになったことで、まぁまぁフォローされていると思うので、あまり気にしてはいないのだけど、それでも予備バッテリーの用意は必須。ま、GR IIIの場合は、そんな些細な欠点などアバタもエクボで済んじゃうワケなのだけどね。

  • GR IIIの立体感のある描写に満足の表情を見せる落合カメラマン。随所に感じられる作り込みのよさも評価している

著者プロフィール
落合憲弘(おちあいのりひろ)

落合憲弘

「○○のテーマで原稿の依頼が来たんだよねぇ~」「今度○○社にインタビューにいくからさ……」「やっぱり自分で所有して使ってみないとダメっしょ!」などなどなど、新たなカメラやレンズを購入するための自分に対するイイワケを並べ続けて幾星霜。ふと、自分に騙されやすくなっている自分に気づくが、それも一興とばかりに今日も騙されたフリを続ける牡牛座のB型。2019年カメラグランプリ外部選考委員。