AIと複雑な会話も可能に!?

最後に、再び舛田淳氏が登壇。AIアシスタント「Clova」がリッチモンドホテルでも採用されたことを紹介しました。ホテル客室内にClova搭載デバイスを設置することで、フロントに電話することなく、近くのコンビニを教えてもらえたり、音声でテレビや照明などの家電操作を行えたりするなど、ホテル、客室内でのユーザー体験をより便利にしていきたい考えです。

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    ホテル客室内にClova搭載デバイスを設置

また、新たなアプリ「LINEカーナビ」を発表。トヨタが持つクラウドでの高鮮度なビックデータを活用したナビゲーション基盤と、ClovaのボイスUIによる利便性を統合したものです。ドライブをしながら目的地の天気を調べる、音楽を再生する、LINEメッセージを送受信することに加えて、目的地の検索、カーナビゲーションの音声操作が可能になります。2019年9月以降に提供開始予定(無料)。

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    LINEカーナビの利用イメージ

そしてこの日、イチバンの驚きがあったのは、AIチャットボット技術「LINE BRAIN CHATBOT」などを組み合わせたLINE BRAINプロジェクト「Duet」のデモでしょう。

登壇した舛田氏が、舞台上でAIと複雑な会話を成立させました。シチュエーションは飲食店の予約で、電話口のAIと「何日に」「何人で」「何時ごろ」伺いますと伝えた後で、「やっぱりその日は取りやめて、何日は空いていますか」と聞き直すなど、かなり込み入った内容でした。AIの電子音声による対応は自然で、まるで人間と会話しているような印象を与えました。

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    LINE BRAINプロジェクト「Duet」のデモ

LINEでは、AIアシスタントのClovaなどで培ってきた数々のAI技術を、今後は外部企業に向けても展開していきたいとしてます。LINE BRAIN事業として2019年7月より、文字認識技術「LINE BRAIN OCR」、音声認識技術「LINE BRAIN SPEECH TO TEXT」の販売を開始します。デモで披露した、音声認識・チャットボット・音声合成の技術を組み合わせた、電話でのAI自動応答を可能にするサービスも、将来的に販売していきたいとしています。

検索サービスにも本腰

このほか、統合検索サービス「LINE Search」を2019年7月から順次開始します。LINE上に存在しているあらゆる情報を、ユーザーに最適な形で届けることを目的にしたものです。LINEのトークだけでなく、LINE NEWS、LINEマンガ、LINE MUSICといった各サービスや、LINEが保有するデータベースを統合しての検索が可能となります。さらに、各カテゴリで人気のインフルエンサーの検索にも対応します。

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    統合検索サービス「LINE Search」

1to1プラットフォーム「LINE ASK me」は2019年9月以降に提供する、弁護士とも相談可能なサービスです。検索して情報を得るだけでなく、そのまま相談や依頼などにつなぐことができます。すでに展開中の1,000人を超える占い師が在籍する「トーク占い」や、様々な専門家が在籍する「トークCARE」に加え、パートナーに弁護士ドットコムを迎え、弁護士と相談できるサービスをスタートするとしています。

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    LINE SearchからLINE ASK meへ。サービスを横断して連携

飲食店やレジャー施設をレビューしたり検索したりできる「LINE STEP」は、2019年7月にスタート。LINE Searchと連動することで、検索後に、飲食店やお店の予約というアクションにつなげることも予定しています。

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    飲食店やレジャー施設を探せる「LINE STEP」


キーノートに登壇した慎ジュンホ氏は、WOWがLINEの価値基準であると述べました。社会に大きな変化をもたらすライフスタイルイノベーションを通じて、これからもユーザーに感動を与えていきたいとしています。24時間365日、ユーザーの生活すべてをサポートするライフインフラを目指しているLINEは、Life on LINEの取り組みを通じて、私たちの生活により密着したサービスを展開していきたいとしました。