これまでのEOSではできなかったこと

――一眼レフEOSやEOS Mでは不可能だったものの、EOS Rで実現できた機能は何がありますか?

山澤氏:RF50mm F1.2L USMのレンズ限定ですが、EOS RはEV-6という暗い場所でもAFが効きます。光学ファインダーではまったく見えないような状況でも、EVFで明るくライブビューを確認しながら確実にピントを合わせて撮影できるメリットがあります。

渡澤氏:あと、EOS Rではデジタルレンズオプティマイザが撮影時にカメラ内でリアルタイムに実行できるようになりました。今までは処理に時間がかかりすぎてデフォルトでオンにできなかったのですが、EOS Rシステムでは画像処理エンジンのDIGIC 8の組み合わせによって実現できました。

レンズの収差などが気になって絞り開放では使いづらいシーンがあったと思いますが、デジタルレンズオプティマイザはレンズごとの収差を補正するので、今までよりも絞りを開けたり、ワイド端を攻めた撮影が高画質で楽しめるようになり、撮影領域が広がるのではと考えております。

  • イメージコミュニケーション事業本部 ICB製品開発センター 主任研究員 渡澤泰之氏

――瞳AFの重要度ってどうお考えですか? 人物を撮るカメラマンにとってとても重要な機能で、認識精度が高ければピントをカメラ任せにして構図と表情に集中できるんです。今のEOS Rは、瞳AFがまだサーボAFには対応していないなど、洗練度がもうひとつの観があります。

山澤氏:そのあたりは強化していきたいと思っています。RF50mm F1.2 L USMやRF28-70mm F2L USMなどの明るいレンズはピント精度が求められますが、瞳AFが組み合わせれば歩留まりを確実に上げられると思います。今後、瞳AFはさらに強化していく方針であり、EOS Rシステムの強みにしていきたいと考えています。

※インタビュー後の2019年4月18日に公開された「ファームウエア Version 1.2.0」により、瞳AFのサーボAF対応や、AFフレームサイズ「小」のサーボAFに対応しました。

  • イメージコミュニケーション事業本部 ICB統括第一開発センター 室長 福田浩一氏

次回の後編では、ボディ内手ぶれ補正機構についての考えや、EFレンズにはないRFレンズの特徴、デザインのポイントなどをうかがいます。