Chromiumベースになる次期「Microsoft Edge」ブラウザには、Internet Exloprer (IE)モードが統合される。5月6日 (米国時間)に、Microsoftが開発者カンファレンスBuild 2019 (5月6日~8日)で明らかにした。基調講演ではまた、Webコンテンツのメモ機能「Collections」やプライバシーダッシュボードといった次期Edgeへの実装を計画している新機能の初期コンセプトを披露した。
EdgeはHTML5などWeb標準を実装したモダンなブラウザだが、Internet Explorerのみで動作するレガシーなWebアプリに依存する企業ユーザーがまだ残っており、現在Windows 10では企業のイントラネット上またはエンタープライズモードサイト一覧に含まれているサイトをIE11で使用できるようにしている。しかし、使用するブラウザが増えると、使い方の違いがトラブルになったり、設定やお気に入りの同期といった管理の手間が増える。
新しいIEモードでは、IEを必要とするコンテンツがEdge内でレンダリングされ、2つのブラウザの使い分けが不要になる。Edgeがエンタープライズモードサイト一覧からIEレンダリングを必要とするサイトを識別し、自動的にIEモードに切り替える。
Collectionsは、Edge内のサイドバーで簡単に利用できるメモ機能だ。例えば、旅行のための調べ物をしたり、ショッピングサイトを回っていると、後で情報を見るために開いたままにしたタブだらけになってしまうことが珍しくない。そんな時、Collectionsを開いて「旅行計画」や「新しいカメラの候補」といったコレクションを作成し、Webページから必要なテキストや画像などをコピー&ペーストしておく。必要な情報を一カ所にまとめられ、ブラウザがタブだらけになるのを防げる。作成したコレクションはクラウドを通じて、同じアカウントのEdgeの間で同期される。
作成したコレクションはメールで共有することが可能。また、コレクションをWordやExcelに書き出せる。例えば、気になったカメラの製品ページを収集し、コレクションをExcelに書き出すと製品名や価格、ページへのリンクなどが表にまとめられる。
プライバシーツールは、「Unrestricetd」「Balance」「Strict」を選択してトラッキングブロックの度合いを切り替えられ、URLバーからアクセスしているWebサイトのプライバシー保護設定やトラッキング状況を簡単に確認できるようにしている。プライバシー保護は重要だが、ブロックを厳しくし過ぎてWeb利用が不便になることもある。どのようにトラッキングされているかをユーザーが理解し、適切にWebサイトを利用できるようにユーザーがコントロールできる仕組みを目指している。
Collectionsとプライバシーツールは、今回披露した機能コンセプトに対する意見を参考にした上で将来のプレビュービルドに組み込む計画だ。