凸版印刷は4月16日、経済産業省・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2018年12月10日から同21日に実施した「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」実現に向けた実証実験において、ZMPと共同で進めているCarriRo(キャリロ) ADとRFIDを組み合わせた無人物流支援ソリューションを使用し、棚卸・検品における省人化の効果を確認したと発表した。なお、実証は2019年2月12日から同28日に実施された「電子タグを用いたサプライチェーン情報共有システムの実験」の予備検証として日本自動認識システム協会(JAISA)から委託を受けて実施した。
ZMPはCarriRo ADを活用し、倉庫や工場内で無人での搬送を実現する取り組みを推進しており、一環として凸版印刷と共同でCarriRo ADとRFIDを組み合わせた無人物流支援ソリューションの開発を進めている。
今回、凸版印刷が参画した経済産業省の「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」実現に向けた実証実験においてCarriRo ADとRFIDを組み合わせた無人物流支援ソリューションを使用。物流センターにおいて、電子タグが貼り付けされた段ボールなどをCarriRo ADでけん引し、無人で電子タグを読み取る作業を実施。これにより、棚卸や検品における省人化の効果を確認した。
実証では、電子タグが貼り付けされた段ボール・カゴ台車などをCarriRo ADがけん引し、RFIDリーダーのゲートを通過させ、読み取り精度を検証。
物流センターでは、段ボールを積載したカゴ台車は重量があるため、人力でけん引する際の負荷が課題となっており、CarriRo ADに段ボール・カゴ台車などをけん引させることで課題の解決を図り、実証実験では120kg以上の段ボールを積載したカゴ台車で500回以上の読み取りを完全に無人で実施し、段ボール・カゴ台車・番重などへの電子タグ貼り付け位置ガイドライン策定のための基礎実験データを取得した。
加えて、人力でゲートを通過した時と比較して、無人で走行するCarriRo ADがゲートを通過しても読取性能が変わらないことを確認した。これにより、CarriRo ADとRFIDの組み合わせによる省人化・労働力不足などの社会課題解決に向けた効果を確認した。
今後、実証実験で使用されたCarriRoとRFIDの組み合わせによる省人化ソリューションを製造・物流業界に拡販し、課題となっている労働人口の減少による労働力不足の解決を目指す方針だ。