「はやうま冷凍」で揚げ物もサクサクに

パナソニックは同日、3月20日に発売された冷凍冷蔵庫「WPX」タイプの説明と試食会も実施しました。WPXタイプは、パナソニックの冷凍冷蔵庫フラッグシップモデル。カチカチに凍らない「微凍結パーシャル」や、引き出しタイプの保冷庫が奥まで引き出せる「ワンダフルオープン」など、多くの便利機能を搭載しています。

  • WPXタイプ新モデルの600Lサイズ「NR-F605WPX」。WPXタイプはこのほか、650Lサイズの「NR-F655WPX」と550Lサイズの「NR-F555WPX」があります。価格は650Lサイズで430,000円前後(税別)、600Lサイズで410,000円前後(税別)、550Lサイズで370,000円前後(税別)

  • 「微凍結パーシャル」は、食材が完全には凍らない-3度なので、解凍せずに食材を切れます

  • 引き出しを奥まで出せるワンダフルオープンはかなり便利な機能

WPXタイプで最大の特徴は、製氷室の横に「クーリングアシストルーム」を備えタことです。クーリングアシストルームでは、通常の冷凍庫より5倍の早さで食材を冷凍できる「はやうま冷凍」や、熱い食材を一気に冷やす「はやうま冷蔵」を利用できます。

  • クーリングアシストルームには熱を吸収しやすいアルミプレートを配置

  • 円形部分は、直接冷気を吹き付ける「集中シャワー冷却」機能を備えます。通常の冷凍よりも5倍早く食材を冷凍できるといいます

  • はやうま冷凍の仕組み

共働き世帯のように毎日が忙しい家庭では、休日に下ごしらえした食材をまとめて冷凍保存しておき、料理のたび利用する「ホームフリージング」が人気です。

とはいえ、自宅で冷凍した肉や野菜、作り置きおかずは、スーパーなどで「冷食」として売られているものよりおいしくないことも多くありました。

たとえば、最初から冷凍して売られている肉よりも、家庭用冷凍庫で冷凍した肉のほうが、解凍時にドリップが多く流れることがあります。パナソニックによると、家庭用冷凍庫だとパワーが足りずゆっくりと冷凍されるため、食材の細胞が損傷してしまうための現象だそう。ところがはやうま冷凍なら、すばやく食材を冷凍できるため、市販の冷凍食品なみのおいしさが期待できるといいます。

通常の方法で冷凍したブリフライと、はやうま冷凍したブリフライを再加熱して食べ比べる試食もできました。食べてみるとまったく味が違います。通常の冷凍ブリフライは衣がふにゃふにゃで、ブリもパサパサとしてお箸で切り分けようとするとボロボロに崩れてしまいました。一方、はやうま冷凍のブリフライは噛んだときに衣のサクッとした感じがあり、ブリも比較的ジューシー。お箸で切り分けると、キレイにふたつに割れました。

  • 会場で試食したブリフライ。青いシールが貼ってあるほうが「はやうま冷凍」で冷凍したもの。同じように調理したものなのに色からまったく違います

クーリングアシストルームは、「はやうま冷却」もできます。熱い食材を一気に冷やす「粗熱取り」ができる機能で、たとえば忙しい朝にお弁当をすばやく冷ませます。お弁当箱ひとつならば約5分で冷えるため、食材が腐敗しやすい「25度から45度」の温度帯をサッと抜けられます。

はやうま冷却は、微凍結温度帯で食材を冷やすため、からあげや照り焼きをつくるとき、調味液に浸す必要がある食材を「はやうま冷却」することで、旨みや水分を閉じ込められるそう。たとえば鶏の照り焼きなら、従来は40分~1時間ほど調味液に浸して味を染みこませる必要がありましたが、はやうま冷却で表面を微凍結させれば、約15分で味が染みこむといいます。

  • お弁当などをすばやく冷やせる「はやうま冷却」。クーリングアシストルームは独立庫なので、熱いままの食材を入れられるのが便利

  • 「はやうま冷却」「はやうま冷凍」の切り替えや運転時間は、庫内の操作盤か、無線LANで接続したスマートフォンから設定できます

  • スマートフォンで操作した場合は、運転時間を1分単位で設定可能。スマートフォンアプリではこのほか、冷蔵庫の設定変更やエコナビの確認、製氷完了などのチェックができます

  • 会場では、はやうま冷却で味付けした味玉の試食もありました。通常1時間ほど味を染みこませる味玉を、はやうま冷却で15分だけ味付けしています。さすがに「中までしっかり味が染みこんでいる!」というほどではありませんでしたが、15分でもきちんと甘辛い味が楽しめました