パナソニックは「忙しい一週間を、おいしい一週間に」をコンセプトとしたキッチン家電製品群「おいしい7days」を提唱し、忙しい共働き家庭や子育て世帯をターゲットとした家電を発売しています。

3月20日には、「おいしい7days」シリーズでも人気なスチームオーブンレンジの新モデル「ビストロ NE-BS1600」(以下、NE-BS1600)を発表しました。NE-BS1600の新機能を使った料理の試食会に参加したので、そのレポートをお届けします。

  • 30Lサイズのビストロ NE-BS1600。価格はオープンで、推定市場価格は170,000円前後(税別)です。大きめのカラータッチ液晶による操作性のよさも魅力。ドア開閉用のハンドル部分がウッド調なのもスタイリッシュでした

レンジでは難しかった「八宝菜」などの中華料理

NE-BS1600は、パナソニックのスチームオーブンレンジ「ビストロ」シリーズのフラッグシップモデルです。最大1000Wの電子レンジ機能に加え、最高300度まで加熱可能なオーブン機能(300度での加熱は5分まで)、過熱水蒸気によるスチーム機能、そして高密度の平面ヒーターを採用したグリル機能が備わった「全部入り」製品。30L容量の製品ながら、高さ45cmのスペースに設置できるコンパクトさも特徴です。

NE-BS1600はフラッグシップモデルということもあり、2品のお惣菜を同時に温める機能や、お惣菜を任意の温度まで温める機能などを搭載しています。

ビストロシリーズの人気機能といえば、やはり「ワンボウルメニュー」の存在。耐熱ボウルに食材を入れ、あとはビストロで加熱するだけで料理が完成するというものです。材料を切って混ぜたあと、ビストロで加熱するだけで料理ができあがる手軽さと、料理後の洗い物が耐熱ボウルひとつで済む手間の少なさがユーザーの人気を集めています。

ワンボウルメニューは、2017年からビストロシリーズに搭載された機能ですが、じつはカレーやパスタといった料理はできても、たとえば八宝菜や麻婆豆腐のように「とろみ」のある炒め物の料理には向いていませんでした。パナソニックによると、とろみのある食材は温度センシングが難しく、表面が適正温度でも、中心部が焦げてしまう、あるいは食材が耐熱ボウルにこびりついてしまうなどの問題があったそうです。

NE-BS1600は温度測定の精度を向上させるため、0.1秒の高速センシング技術を導入。5段階の独自加熱アルゴリズムを組み合わせた「とろみセンシング」を開発することで、ワンボウルで「とろみ」料理も調理できるようになりました。

  • 「とろみ」用に開発されたアルゴリズム。ボウルを上部からセンシングしつつ、食材が60度になるまで一気に加熱して食品の分量を判定します。そこからセンサーの方向を移動させ、「とろみ」があるボウル下部の温度をチェックしながら加熱します

2017年以降のビストロシリーズでも、「片栗粉でとろみをつける料理」を作れたのですが、その多くは加熱途中でかき混ぜるなどの手間が必要でした。今回NE-BS1600での「とろみセンシング」導入で、麻婆豆腐や酢豚といった家庭で人気の料理がボタンひとつで調理できるようになりました。

片栗粉を使う「とろみ」だけでなく、フランス料理のような小麦粉を使用した「とろみ」にも対応しています。専用メニューとして、「ワンボウル中華」と「ワンボウルフレンチ」を選択できます。

試食会では実際に「八宝菜」と「たらのプロバンス風」を調理するデモンストレーションも行われました。「調理」といっても、材料をボウルに入れ、調味料を全体にかけ、軽くラップをしてビストロで加熱するだけ。加熱後に全体をサッと混ぜる作業はありますが、調理全体の作業には3分も必要ありません。

加熱時間は15分ほどありましたが、かき混ぜるなどの作業は必要ないため、NE-BS1600の近くにいる必要はありません。パナソニックによると、本来の八宝菜は「肉を炒めて取り出す」「魚介を炒めて取り出す」「野菜を炒める」「肉と魚介を戻す」「調味料を加える」「水溶き片栗粉をかき混ぜながら加える」と、加熱時に多くの工程が必要で休む暇がない料理。ですがNE-BS1600なら、調理している間にほかの作業ができます。

  • ボウルにカットされた材料を次々と入れて、ビストロで加熱するだけ

  • ワンボウル中華メニューから八宝菜を選択し、「決定」ボタンを押します。食材の分量などはビストロが勝手に量り、最適な時間で加熱してくれます

  • できあがった八宝菜は試食しました。トロリとした餡(あん)が確認できます

  • 「たらのプロバンス風」も食べました。こちらは「たらに小麦粉をまぶしておく」という工程があるものの、あとはボウルに材料と調味液を入れて加熱するだけ。約13分で本格的なフレンチができます

試食して驚いたのは、魚介や肉の食感のよさです。とくに八宝菜は、火が通りにくい白菜もしっかり加熱されているのに、加熱しすぎると固くなるエビはプリッとした食感。加熱しすぎるとパサつく豚肉も、柔らかく調理できています。たらのプロバンス風も、たらをワインで蒸したようにふんわりしていました。食感のよさも「とろみセンシング」による加熱制御で実現しているといいます。

  • 高精度の加熱制御技術により、食材の食感を引き出せるといいます

  • とろみセンシングのほかに、発酵機能の搭載により甘酒やヨーグルトが作れるようになりました。多湿を好むヨーグルトの場合、スチームを出して発酵をサポートします