端末にかざすだけで支払いできる「Apple Pay」、便利ですよね。コンビニでの支払いはいつもこれ、という人も多いのではないでしょうか。そのまま海外で利用できれば、買いもののときお釣りの心配がないし両替の必要もないから一石二鳥ですよね。

しかし、ご質問に対する回答は「使えるものもあれば使えないものもあり」ということになります。少しややこしい話になりますが、説明してみましょう。

Apple Payは2016年発売のiPhone 7で日本デビューを飾りましたが、電車/バスの自動改札を通れるようにすることが優先された結果、Suica(モバイルSuica)対応のために日本向けiPhoneにはFeliCaチップが搭載されることになりました。さらに、日本のモバイル決済サービスと提携し、日本独自仕様のApple Payとしてスタートしています。

一方、アメリカなど海外では「NFC Type-A/B」が利用されています。日本独自のApple Payとは通信方式も対応する決済サービスも異なるため、日本で利用しているiPhoneをそのまま海外へ持ち出しても支払いに利用できない状態がしばらく続きました。

その状況に変化が生じたのが、iOS 11のときです。日本独自のApple Payと海外のApple Payが1台のiPhoneで共存できるようになり、日本で購入したiPhoneも海外でApple Payを使えるようになりました。

ただし、Apple Payに登録しているクレジットカードは、ICカードのセキュリティに関する国際統一規格「EMVコンタクトレス」に対応していなければなりません。

クレジットカード国際ブランド各社は、「Mastercard Contactless」や「JCB Contactless(旧J/Speedy)」、「American Express Contactless」といった非接触型決済サービスを提供しています。海外へ出かける前に、自分がApple Payに登録しているクレジットカードがこれらのサービスに対応しているかどうか、確認しておきましょう。

  • 現在利用している「Apple Pay」は海外でも使えますか?

    日本で購入したiPhoneも海外で「Apple Pay」を使えますが、条件があります(写真はイメージです)