説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『小学生の子に与えたiPhoneで「Apple Pay」を使えますか?』という質問に答えます。

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お子さんに与えたiPhoneは、iPhone 7/7 Plusでしょうか? そして「Apple Payを使う」の意味は、駅の自動改札機や小売店の端末にiPhoneをかざして支払いすることでしょうか? そうであれば、いくつかの制約はあるものの、利用自体は可能です。

その制約とは、クレジットカードを登録できないことです。日本でポストペイ方式(使ったぶんの請求が後日届く)でApple Payを利用する場合、日本で発行された本人名義のクレジットカードが必要になりますが、どのカード会社も子どもには高校生を除く18歳以上(海外留学など例外を除く)を申込み条件としています。キッズカードなどと称して小学生向けに発行するカード会社もありますが、クレジット機能は付加されていません。

残るはプリペイド方式(先払いしたぶんだけ支払いに利用できる)となりますが、ここでも制約があります。2017年8月現在、日本ではプリペイド型カードとして「Suica」と「au WALLET」を利用できますが、au WALLETの発行条件は実質的に12歳以上 -- 小学生はau回線の直接の契約者になれない -- とされているため、選択肢はSuicaのみとなります。

ただし、登録できるSuicaには制限があります。Apple Payは、子ども用Suicaおよび高校生以下用の通学定期に対応していないため、電車やバスの自動改札で運賃を支払おうとすると大人料金になってしまいます。特に年齢制限のない、無記名Suicaが唯一の選択肢です。

ということは、Apple Payを利用する場面はコンビニエンスストアなど小売店での支払いに限定されてしまいます。子ども名義のクレジットカードが存在しない以上、Walletアプリからチャージできないため、残高が減ってきたときには小売店で現金によるチャージを行うしかありません。

小学生でもApple Payは利用できますが、登録できるカードの関係で活用範囲は狭まります(写真はイメージです)